大屋町の天滝は、98mという兵庫県最高落差を持つ滝です。この北側には杉ヶ沢高原という地形図で見ても特異な平坦地があります。この付近を歩いてみようと思いました。
普通に天滝を見に行っても面白くないので、登り口は大屋町筏の天滝キャンプ場にしました。キャンプ場の中に段四等三角点(278.81m)があるはずなのですが、見つけられませんでした。ちょっと苦労してネットをくぐって、植林から尾根を登り始めました。作業道の跡らしいものもあって、登りにくくはないのですが、すぐに周囲は自然林になり、590m+のピークの手前付近には非常に急峻な場所があります。途中で藤無山などが見えることもありました。30分ほどの激登りで590m+ピークに着き、585mピークを過ぎると気持ちの良い植林です。そのまま尾根を歩くと尾根が細くなり,746mピークあたりからは天滝の音が聞こえるようになります。音だけでなく、木々の間から天滝の上のほうが少し見えました。しかし、この先の標高700m付近では、地形図では分かりませんが尾根が切れています。その先の鞍部へ降りるには、急斜面を巻かねばなりません。岩の多い西側の急斜面を降りましたが、かなり危険でした。ハイキングコースとしては難があると思います。
さらに岩の多い細尾根を歩くと、尾根が広くなって南側斜面の植林が伐採されており、尾根にはネットがありました。その先どうやって天滝に行くかを思案しました。すぐに谷に降りて横切れば、杉ヶ沢高原の南端に出られますから、天滝には最短コースとなります。しかしもう少し歩きたかったのと、沢を渡れるか分からなかったので、結局尾根を歩き続けました。この付近は植林ですが地面は落ち葉で埋まっており、気持の良い場所でした。しばらくはそのまま曲がりくねった尾根を歩き、「天滝頭 30.88ha」と書かれた看板が立っている所まで来て、谷に向かって降りました。この付近は谷も植林されています。場所によっては湿地になっており、気をつけないと靴が泥だらけになります。しかし開けた植林の谷は気持の良いものです。特に何もありませんが、地形図で南に延びている林道を探しました。確かに林道の終点があって、そこから北に歩きました。北に向かう谷も広々した草地があり、もっと広大な杉ヶ沢高原に出ました。木が少なく、ほとんどは草地です。平らにされている割には畑も少なく、とてももったいない気がしましたが、国定公園だからでしょうか。秋にはススキの草原になるのでしょう。建物もまばらですが、ところどころにある植林は美しく手入れされています。
北に登って行くと、Google Street Viewの終点に出ました。ここから6月といえ炎天下の舗装道路を東に歩くと、「拓魂」と書かれた石碑があり、まっすぐ歩くと植林に入りました。この付近のことは[1]に詳しく書かれています。ジギタリスやクリンソウを見ながら植林に入り、少し歩くとトイレがあります。さらに分岐の所に納屋のような建物があり、天滝までは2.0Kmとなっています。標識に従って天滝の方へ歩いていくと、左手(東側)が谷になります。谷の方向の木々を見ていたら、木の上に黒い固まりがあって、鳥の巣かと思ったら熊でした(写真)。かなり高い木の上の方で、しきりと何かを食べていました。枝から枝へ移動するのも登るのも素早いのですが、降りるのはなんとなく恐る恐るなのは人間と同じでした。
熊と分かれて少し歩くと休憩できる大きめのログハウスがあります。この先の林は「森林浴の森」だそうですが、道が分かりません。適当に抜けると道標がありました。この付近は平坦ですが、南側の天滝の谷に向かっては急斜面で、その境界には少しだけ盛り上がった土手のような場所が続いています。面白い地形です。滝に向かって急斜面をジグザグに降りて、次は斜面をトラバースして行きますが、途中にあるのが俵石で、節理に岩がちょうど俵くらいの大きさになって重なっています。道はしっかり作られたものですが、ところどころ崩落気味で、すり鉢の斜面を歩いているような感じの場所もあります。そして平坦地に一旦出てから再びジグザグに斜面を降りて、天滝に着きました。幼稚園から小学校くらいの子供がたくさんいてびっくりしました。天滝はさすがに迫力のある滝です。天滝から駐車場まで(Google Mapでは駐車場が天滝になっている)はかなり険しい登山道でしたが、子供や犬も登っていました。駐車場からは舗装道路でキャンプ場まで戻りました。
キャンプ場で話をした人は熊はいないと言っていたのですが、いちおう鈴は鳴らしていました。確かに熊を見たのはは杉ヶ沢高原で、天滝の南の山ではなかったので、言われたことは間違いではなかったようです。
展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「戸倉峠」「氷ノ山」です。
0 件のコメント:
コメントを投稿