地形図を見ると、若桜鉄道は若桜駅から大きく北に出っ張った尾根の先を回って次の丹比駅へ走っています。この尾根の北には八東川が大きく蛇行して流れており、その北側には川の蛇行に沿ったブーメランのような形の山並みがあります。この山並みは面白そうなので歩いてみました。
登り口は若桜側で尾根の先に取り付きました。地形図ではあまりに急斜面で登るのは無理かと思ったのですが、南側は登れそうな感じだったので害獣避けの扉を開けて山に入って急斜面を登りました。すぐに作業道が見つかりました。これでかなり上まで登れたので、道が消えても急斜面をちょっと登れば尾根に上がれました。ここからは尾根歩きで、すぐに少し下って鞍部があります。この付近は植林で北の方から林道が来ていました。ここからの登りは急ですが、下草もなく楽に登れました。千石岩の下の付近にも北側から林道が来て終わっていました。千石岩に近づくと勾配は急になり、岩場になります。ピンクテープが登山道なのだろうと思って登っていくと、岩の間をよじ登って千石岩の上に出られました。さすがに展望は良いのですが、高所恐怖症なのであまり身を乗り出すことはできません。この付近の岩は数cmの板に劈開するタイプのもののようです。
千石岩から少し登ると平らな尾根になって、あとは気持ちの良い尾根歩きです。場所によっては幅の広い尾根で、553m地点の手前では尾根を乗り換えるような感じになります。そのうち植林も増えてきますが、だいたいは尾根の片側は自然林で、枯れ葉を踏んで歩けます。597mピークにも行ってみましたが、平らな植林です。このへんからちょっと分かりにくい所もありますが、尾根を登って丸尾三等三角点(639.92m)に着きました。白い木の「大切にしましょう」が朽ち掛かっています。
ここからは西に歩いて丹比の方に向かいました。最初しばらくは正しい尾根に到達するまであちこち迷いました。間違った尾根を降りて南の尾根に移り、しばらく降りていくと細い尾根になってきました。多少藪っぽい場所もあります。474m地点付近から先はGPSで位置と方向を確認しながらややこしい尾根を降りていきました。さらに西に行くと、地形図で見ても見事な細長い尾根になります。植林の所が多く、歩くのは容易です。両側を木々の間から見下ろすことができます。そのうちに「危険立入禁止」と書かれた札が落ちているようになりました。そしてドラム缶が3つ転がっていると思ったら城山三等三角点(351.07m)がありました。そのすぐ下にはプレハブのような小屋の残骸がありました。この付近は平坦地が作られているような印象があり、名前の通り山城があったのかも知れません。もう少し降りると「立入禁止 危険 富枝部落財産区」という札があちこちに立っていて、鉄線が張られていました。この付近の南側は崖で、落ちないようにという親切なのだと思いますが、誰がわざわざここまで登って来て崖から落ちるだろうかと思いました。確かに上から覗くと急斜面ですが、もちろん崖は見えません。降りてから見上げたところ、100mはあろうかという垂直な崖でした。尾根の上は危険はありませんが、笹薮を抜けるのに苦労したりで歩きにくくなりました。しばらく藪漕ぎをすると今度は急斜面になりました。ここにもピンクテープがあるのでそれを辿って木に掴まりながら降りていくと、金網もなく国道29号線に降りられました。丹比駅まで歩いて、2時間に1本しかない列車で若狭駅に戻りました。
三角点のところにあった小屋のことを考えると、別の降り方があったような気がします。千石岩から眺望も良く、尾根も全体に歩きやすかったので、良いコースだと思います。
展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「若桜」です。
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