2012年7月8日日曜日
安富町皆河から登る母栖山
母栖山は山崎町の母栖から登るのがもちろん一般的ですが、林田川からもそんなに遠くありません。地形図を見ると安富ダムの少し下から富栖湖の西側の山に登って570mピーク経由という道がまず目に付きます。しかし最初の200mは勾配がきつそうですし、道路がカーブしている谷の北斜面は急斜面の伐採地です。ということで、皆河(みなご)集落から登ることにしました。距離は長くなりますが、尾根歩きを楽しめそうです。
皆河の北に尾根があります。この南端から登りました。果樹園を抜けて森に入ろうとすると「立入り禁止 あぶないからはいらないでください。安富町」という看板が立っています。「何があっても安富町の責任ではありません」という誓いを立てて、竹薮に入りました。しっかりした獣避けの金網に行く手を阻まれましたが、二つの尾根の谷に入口がありました。この後はどっちの尾根に登っても同じだと思いますが、東側の尾根に登り、272mピークまで歩きました。272mピークには長さの切り揃えられた木材が積んでありました。
しばらく平坦な尾根を歩くと、登りになりました。意外と岩の多い尾根でした。だいたいは踏み跡があり、藪はきつくないので、休みながら登れば問題はありません。時々平坦になりますが、標高差で200m近い登りなので、長く続きます。450m+まで登ると平坦になり、測量用の紅白の棒が2本立っていました。周辺は伐採してありますが、伐採地の外の木の背が高いので、展望はありません。平坦な尾根をしばらく歩くとまた急勾配になり、550mを越えるとまた平坦な尾根になりました。
宍粟市山崎町と姫路市安富町の境界に出ると、伐採してあり測量用の紅白の棒が立っていましたが、ここも展望はありません。境界を北に歩くと鞍部に出ました。東側の谷からは激しい水音が聞こえており、細い急流が流れていました。前日までは大雨だったので、そのせいでしょう。鞍部からは急斜面を登り、東西に延びる尾根に出ました。いきなり関電の立入り禁止標識が立っていました。この尾根を東に進んで美しい宍粟杉の林を抜けると、宍粟50名山母栖山山頂に出ました。母栖三等三角点(654.02m)がありました。
母栖山には「金鉱跡」という道標があり、「往復30分 一見の価値十分あり」と書いてあったので、行ってみました。東に急勾配の斜面を降りて、植林を歩いて岩場に出ると、北正面に富栖鉱山の跡が見えます(写真)。ロープが張ってありますが、危険な岩場です。
母栖山山頂まで引き返してから、北に降りました。ここも関電の立入禁止が立っていますが、柵があるわけではありません。北斜面には道がなく、植林ですが低木が茂っているため、かき分けつつ適当に降りていくと、広い尾根に出ました。
この付近は鉱山の関係からか市境が折れ曲がっていますが、再び市境に従って尾根を北に歩きました。大体は暗い植林ですが、700mを越えて急斜面を登って行くと播磨中央線2鉄塔がありました。鉄塔はネットに囲まれており、その中は伐採されているのですが、伐採した時に出た木材をネットの外に捨ててあるので、尾根を辿るのはとても困難で、結局ネットの中に入りました。関電の山崎実験センターがよく見え、展望の良い場所です。ここから更に藪を登って行くと、740m+の尾根に出ました。
この尾根も市境ですが藪っぽく、たまに道がある程度です。特に734mピークは伐採した後にシダやアセビが生い茂り、歩けたものではありません。東側を巻いてから無理して頂上に出ると、金属プレートの三角点がありました。古い地形図には描いてありませんが、安黒四等三角点(729.41m)です。この後は間違ってピークから西の方に降りてしまい、ひどい藪に入ってしまいました。ピークに戻って市境を辿りましたが、やはり藪でした。植林に入るとだいぶ楽になり、道も現れたと思ったらネットがあり入口がありました。中に入って100mほども歩くとまたネットがあり、出口となりました。ここは頭上で高圧線が尾根を横断している地点で、その配慮と思われます。ネット内は鹿が入れないせいか、なんとなく植生も違う感じでした。この後は関電の巡視路ですので、黒いプラ階段もたくさんあり、歩き易くなりました。木々の間から西に揖保川も見えました。
東に送電線の鉄塔があり、それを過ぎて標高650mに達する手前に次の鉄塔への巡視路を見つけました。この巡視路に入ると、しばらく尾根と平行に進み、鉄塔のある枝尾根まで来ると降り始めました。播磨北線7鉄塔は、枝尾根の下の方に立っています。期待どうり次の鉄塔への巡視路はここから枝尾根を伝って谷に降りており、植林の中を降りて行くと、舗装された林道大河(おおご)線に出ました。ここからは大河川の雨後の急流を眺めながら皆河まで戻りました。2時間近くかかってしまい、足が棒になりましたが、途中は山から溢れた水で林道が川になっていたり、富栖鉱山の前にある富栖の里を通ったり、飽きることはありませんでした。この谷は皆河大河弁獄と言うのだそうです。歩いている途中に富栖湖の西側斜面に階段があるのを見つけました。ここから570m地点経由で登るルートもありそうです。
コースとしては、母栖山から570mピークを経由して富栖湖へ降りる方が普通でしょう。全行程6時間近くかかりましたが、見所はたくさんありました。ところで、皆河三角点は、雪彦山の北にあります。一方、播磨北線7鉄塔のある場所は安富町関字カニワだそうです。名前と場所が交錯していて、なんだかややこしいですね。
展望 ★★☆
藪山度 ★★★
地形図は「山崎」です。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿