姫路市安富町三森の少し東側に,北に入り込む沢があります。この周囲をぐるりと取り巻いている山並には,3つの三角点があります。「三ツ森(468.08 m)」「大谷山(510.72 m)」「大東山(207.03 m)」です。このぐるっと一周は周遊コースとして手頃なので,三つを廻ってみることにしました。ちょっとコースが長めなのと倒木が心配でしたが,疲れたら途中で下山することにして,とりあえず全周遊を目指しました。
起点はうすづくの,中国自動車道のすぐ北にある神社です。春神社という名前の小さな神社で,その裏から山に上がると,すぐに送電線の鉄塔があります。神野溝口線56号です。この鉄塔の巡視路は東西両側から上がってきているので,それを利用して尾根に上がるのが正解のようです。ただし西側は人家の庭を通る必要がありそうです。鉄塔から尾根沿いに主尾根まで100mほど登りますが,踏み跡があって楽な登りでした。主尾根に出ると植林で,気持ちの良い道になります。343mピークに登って降りると,播磨線69の鉄塔があります。安志がよく見えます。この先も植林で,420m+まで登って降りなければなりません。さらに登り返して,三ツ森三等三角点に到着です。ここは展望はありませんが,少し北に歩くとマイクロ波の反射板があり,ここでは明神山を望む素晴らしい展望が得られます(写真)。この反射板は関電のものではなく,中播磨県民局が建てたもので,平成19年3月完成という真新しいものです。標高460mとなっています。この位置から考えると菅生ダムとの通信用ではないかと思います。
余りに良い眺めなのでしばらく休憩していましたが,まだ道のりは1/4程度です。先を急ぎます。この先は比較的なだらかで,植林が多いのですが倒木は少なく,歩きやすい尾根です。おかげで意外と早く尾根の北端に到達しました。ここには510m+のピークがありますが,その周辺には大規模な倒木処理と思われる作業の跡が見られます。北側には末広から林道が上がってきていますが,それが延長されて作業道になっています。植林が伐採された後なので,北側の展望は素晴らしく,近くでは淡路ヶ丸などがよく見えます。伐採された樹木が転がっているため,地面は歩きやすくありません。数本残された木の造形が美しく目を引きます。さらに尾根を西に進むと,なだらかな斜面の植林が広く伐採されています。この斜面は末広から見上げると目に留まります。青いネットが張られ,まさに作業中という感じです。大谷山三角点はそのネットの脇にあり,三角点自身はネットの外,赤白の棒は内に立っています。この付近の眺望もすばらしく,末広の村がよく見えます。ネットの内側は倒木だらけで踏み込む気にはなりませんが,処理の終わった付近は植林の断面が見えて綺麗です。
ここから尾根は南向きになります。雑木林が多いので若干藪っぽくなりますが,快調に歩けました。木立の間から安志側が見えてきます。植林もありますがひどい倒木地帯はありません。421mピークを過ぎ,さらに標高を下げて,最後は尾根を間違わないように南に進むと,神野溝口線と再会です。51鉄塔で,昭和14年のものです。若干レトロ(?)な形をしています。送電線からさらに南に進みましたが,そのまま尾根を進むと南西の三森の村に行ってしまうので,東に進路を取り,藪を抜けると大東山三角点です。これは金属のプレートでした。あとは南斜面の植林を降りて,街道沿いの畑に出てきましたが,ここでは獣避けのネットを抜けるのにちょっと苦労しました。この辺が最大の難所でしたので,送電線の巡視路を降りるのが正解かも知れません。
このコースは長丁場ですが意外と歩きやすく,展望もあるのでお勧めできます。アップダウンがありますので,足腰のトレーニングに向いているでしょう。2004年の台風のせいでしょうか,2001年の頃([1])と山の状況が大きく変わっているのにも驚きます。
展望 ★★★
藪山度 ★☆☆
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