車池は,たつの市の西の山中にある美しい溜池です。改築記念碑に「数百年来五部落の生活を支えてきた車池も」とあるくらいですから古いもののようですが,かなりの山奥にあります。とはいえ,菖蒲谷森林公園へ行く道が近くを通っているので,今では車でも行けます(だから「くるまいけ」?)。
しかし,南の県道5号線からのアプローチは,ハイキングコースもなく,三角点もなく,町堺でもありません。こんな地味な山歩きを試みました。
登り口は揖西町新宮の神社にしました。県道5号線に近い南側の神社ですが,行ってみても名前が書いてありません。この付近は動物避けの柵がしっかりしているのですが,近くの竹藪の道を入っていくと,柵に戸があったので,そこから山に入りました。道は尾根には上がっていないので,例によって腕の力を使った登山となりました。急勾配ですが,登れます。しかし登ってみると尾根には良い道があり,しかも石仏が点々と置いてあります。なんとこの山には四国八十八霊場の仏像が置かれているのです。この近くでは坂越にも同じ趣旨の山がありますが,四国を巡るのと同じ御利益があるとすれば,とても便利なものです。
お遍路は90mのピークから通り,154mのピークへ行き,そこから山を下りるようになっています。登り口は確認していませんが,村落の中でしょう。今日の目的はお遍路ではなく,さらに西の尾根に進みたいので,154mピーク付近から藪に入ります。
この先は道が無くて歩きやすくはないものの,歩けます。時々シダが生えているので,あまり楽しい尾根歩きではありません。しばらく西に進むと溜池の方から道が上がって来ています。この道は林道と言うほどのものではなく,手入れもされていないので時々消えかかりますが,この先かなり長く続いているようです。ただ,必ずしも尾根を通っていないので,うかつに歩いていると山を下りたり違う尾根に行ったりしそうで,なるべく尾根を歩きました。
231mピークまで来ると,西側の展望があります。木が邪魔ですが,播磨道が見えます。ここからは北向きに進みますが,ところどころ痩せた尾根があったりして,結構楽しめます。道はあったりなかったりで,シダが邪魔な所や,枯れ木の密度が高くて枝を折らないと進めない場所もありますが,落ち葉が気持ち良い雑木林の藪山です。
300mまで登ると,北東に尾根は進みます。東に揖保川や的場山が見える場所もあります。痩せ尾根を歩いてさらに尾根沿いに350mまで登ると,地形図に小さく350mのピークが書いてありますが,ここには驚いたことに小屋があります(写真)。波板で作ったものですが,スリッパ型のトイレまで付いています。トイレにはドアがありませんが,小屋にはドアがあります。中には薪が蓄えてあるように見えましたが,この山頂までどうやって小屋の機材を運んだのか,これらの薪をどうするのか不思議です。このあたりからは網干が見えます。
さらに北東に進むと350mの広いピークがあります。ここも気持ちの良い場所でした。この辺りにはマーキングもあるのですが,ここまで来て道に迷いました。北の340m+ピークに行きたかったのですが,少し東に寄りすぎて斜面を降りたらしく,倒木を乗り越え,さらに急坂を登る羽目になりました。もっと西側を歩けば,尾根が繋がっているのでずっと楽だっただろうと思います。
この340m+ピークには,標石があり,テープでマーキングがあります。この先は,この標石どうりに歩きました。尾根を西に進み,尾根の外れから北に進みます。最初の予定ではここから車池の堤防に降りて,破線道を進んでから地獄谷三角点に通じる町界で南下するつもりだったのですが,車池の南側を通った方が近道なので,標石に従って西に向かいました。おかげで美しい車池は木々の間から垣間見ただけでした。
この辺りの尾根は広くて分かりにくいのですが,標石と3種類の色のマーキングテープがあります。西に進むと小さな池がありますが,この池の北側の車池との境にあたる鞍部は,標石135でした。この付近は標石もシダに埋まっていたりして,迷いそうな場所です。なるべく尾根沿いに歩いて,町界に出てきました。地獄谷三角点の南の300m地点のさらに南です。
あとは,2007年1月に二木から歩いた尾根道の逆コースです。一度歩いたコースなので楽ちんと思っていたら,道はないし,結構アップダウンがあり疲れる上に,何度も尾根を間違えて迷いました。なるべく早く小犬丸に降りたかったのですが,320mピークを過ぎ,244mピークまで歩いても降りる道は無く,結局244mピークの西で切通しが尾根を南北に横断していました。ここから南に歩くと,棚田のような場所を抜けて,大長寺池に出てきました。
最後は出発点にとめた車まで3キロほど5号線を歩きました。このコースは,自転車を持っている人にお勧めです。車池に自転車を置いてから登れば,帰りは舗装道路を下るだけです。
展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
0 件のコメント:
コメントを投稿