田野城は,香寺町須加院(なんと響きの良い地名でしょう)の北にあった山城です。北の田野から中須加院に抜ける山道がありますが,途中の溜池の付近に登山道の入口があります。教育委員会の作った田野城の説明もあり,「田野城は西方500mの城山(標高220m)の頂上にありました」という説明書きがあります。ここに車を止めて登り始めました。
歩き易い道を登ると,共同アンテナが立っています。標高はまだ170m+だと思うのですが,展望の良い場所です。これだけ遠くまで見えれば,ここが城跡でもおかしくないという気がしますが,地図([1])では221m地点にあったことになっています。それならば,と220m地点(地形図では221mですが)に向かいますが,ここはいきなり藪っぽくなります。しかも,ピークに来ても城らしいものはありません。少し斜面を降りれば石垣があったかも知れませんが,頂上は展望もない藪です。専門家も似たような経験をされているので([2]),そういう城跡なのでしょう。
がっかりせずにさらに尾根を西に進みます。221m地点より西側は道が怪しくなり,北の溜池に降りそうになるので注意です。時々北や南に展望のある尾根を正しく歩いて鞍部に降りると,「火の用心」の立て札があります。ここからまた登りですが,巡視路なので道は良く,尾根からははずれますが鉄塔(溝口線30)に寄り道しました。
比較的平坦な尾根を西に行くと,丁ケ崎四等三角点(230.6m)があります。写真はこの付近から南を望んだものです。広嶺の裏山が見えています。ここから西へは岩場もありますが平坦で展望もあります。しかし,尾根の西の端に出てくると,どうやって降りるかが問題になります。かなり強引に南斜面を降りましたが,降りるに従って藪が厳しくなって苦労しました。細い木が密集して生えています。
そして降りてきたのは毘沙門堂への入口の鳥居の付近でした。この毘沙門堂は,播磨風土記に記述される「石坐神山(いわくらのかみやま)」だそうですが,いろいろ議論があるようです。このコース全体と石坐神山については,こちら([3])をご覧下さい。
全体としてこのコースは,少しですが歴史に触れられる良いコースです。帰りは,相坂隧道を経由して車まで帰りました。経由と言っても,トンネルの中を歩いていて車が来たら避けられませんから,用心してトンネルの上の峠を越しました。トンネルの説明に「昔相坂から谷山や須加院への道はトンネル南の鞍部を越す険しい山道でした」と書いてある割りには,簡単に通れました。このトンネルも歴史を感じさせます。
展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
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