姫路の北に氷室池という溜池の跡があります。江戸時代末期のものですが,今は溜池としては使われておらず,砂防ダムのような堰堤があるだけです。この池の南側の尾根を近畿自然歩道が通っており,砂防ダムの南を通って山富団地経由で書写に抜けています。近くには氷室神社があり,氷室という表札のかかった家もあり,江戸時代からの歴史のある地域のようです。播磨空港計画が中止となり,平和が戻ってきました。
この池は東側に二つの沢を持っています。一つは南の沢で,ここには道があります。ときどき不明確になりますが,とりあえず奥広嶺の尾根に達することができます。洞窟があったりして,ちょっと楽しめる沢沿いの道です([1])。歩いていると人に会うことも度々ありました。
南の沢に対して北の沢は入りにくいようです。沢沿いの道が少しありますが,問題はそこに達するまでで,氷室池から北の沢に入ろうとすると背の高い枯れ草が川を埋め尽くしていて,非常に歩きにくくなっています。正解は川の南側を少し登ることで,平地があり,道(のようなもの)もあります。これを東に進んでいくと,沢沿いの道に出られます。溜池ですから,いたるところに石積みがあります。
沢を登っていくと,いくつも分岐があります。私も完全に把握していませんが,北の方の沢を進むと炭焼きの釜があります。東に進んで氷室山の斜面を登ることも可能ですが,たいへんな急斜面です。
もうひとつの選択肢として,氷室池の中央に陣取っている尾根に登るというルートもあります。冬でしたら氷室池から東に直進して314mピークまで,道は全くありませんが登れます。また,北側の沢を東に進み,南側の斜面を尾根まで登ると,314mピークと氷室山に向かう尾根道の中間あたりに出てきます。これも急斜面ですが,場所によっては写真のような江戸時代の綺麗な石積みが見られます。登る場所を間違えると,藪に突入して身動きが取れなくなることもあります。
この沢は,南側の沢に比べて未踏の境地です。姫路市内から近いにもかかわらず人に会うことはまずありません。藪をいとわず,人の行かない場所を歩きたい方には穴場としてお勧めです。
展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
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