2018年9月28日金曜日

瓶割峠から黒頭峰・夏栗山・三尾山

篠山市と丹波市春日町の境界に位置するこれらの山並みは、登山道が整備されており東南の佐仲ダムや南の高蔵寺から登るのが一般的のようですが、そうすると3つの山を歩くと行ったり来たりになります。尾根歩きも楽しみたいと思って地形図を見ていて、北から登るルートを思いつきました。

起点は春日町の国領温泉です。旅館が1軒だけあります。ここを南に歩くと、害獣除けの扉があり、「瓶割峠登り口 国領地区元気な地域づくり委員会」という看板があります。近くの「ながたにやまばし」を渡って、草で覆われた道を登りました。上流には巨大な堰堤(国領川第2砂防堰堤)があり、その上流にもいくつか堰堤があります。道が尾根の下で別れている所に来ると、瓶割峠への道標が谷の方に付いています。これは地形図どおりなので、真っ直ぐに谷に入りました。ところが道はどんどん怪しくなりました。地形図では谷の途中で東に曲がって尾根を登るようになっているのですが、この曲がり口が分かりません。谷の奥を登るのは難しそうだったので、道は分からなかったのですが適当に東に曲がって植林の危険な急斜面を登りました。すると斜面の上には道が東側から来ていました。道標を見落とした可能性はありますが、この付近は分かりにくいと思います。出てきた道は倒木以外はよく整備されていてロープが張られている場所もあります。すこし登れば「見晴エリア」という北に展望が広がる場所があります。さらに登ると「休憩エリア」ですが、ここは大師堂跡だそうで、弘法大師像の置かれていたと思われる石積みだけが残っています。本尊は大戦に供出したとありますが、金属製だったのでしょうか?さらに登ると「テンプルコース 瓶割峠へ」という標識が現れてきます。これは鐘ヶ坂で見たのと同じものですが、テンプルコースのルートはよく分かりません。そして瓶割峠に着きました。ここは西瓶割峠だそうです。登ってきた道は県道138号線のはずです。道標では北方面は奥町となっていますが、国領のことでしょうか。

西瓶割峠から東に尾根を歩くと、東瓶割峠に出ました。ここには南から道がありますが、北側にはありません。しかし峠であるからには北側にも道があったのでしょう。丹南町と春日町の標識もこちらにあります。峠には石のブロックがいくつかあって寄進者の名前が彫られており、石工の名前もあるのですが、何がここにあったのかは分かりません。東瓶割峠からは東に尾根を歩きました。特に歩きにくいことはありません。これはテンプルコースで、「高蔵寺へ」となっています。そして、はるか北から続く春日町の「分水界の径」でもあります。標識があるのは有り難いことです。テンプルコースは554mピークを南に巻いていますが、分水界の径はもちろん山頂へ行きます。このピークは奥坪山というようです。いったん黒頭峰との間の鞍部に降りると、テンプルコースは南に行ってしまいます。黒頭峰への登りはとても急な斜面で、はっきりした道もありませんが、間違いようもありません。土は崩れやすく落ち葉も滑りやすいのですが、道の跡を探して登りました。そして、黒頭山二等三角点(620.34m)のある山頂に着きました。少しだけ北に展望があり、北には佐仲峠への道もあります。

黒頭峰からは東に降りましたが、こちらは夏栗山へとなっていますが、あまり道標はありません。藪っぽいのですが、黄色とピンクのテープが目印と信じて降りていくと植林に出て、道標がありました。黒頭峰と夏栗山の間の鞍部は美しい植林です。そして北に佐仲峠への分岐があり、その東はしっかり作られた道なのですが、倒木が増えてきて、どちらに行ったら良いのか分からなくなりました。地形図の破線道は夏栗山の西で南に曲がるのですが、よくわからないので真っ直ぐに歩きました。最初は道があったのですが、そのうちに藪になりました。しかし少し登ると丹波森の径の道標があって、ここが道なのかと思って、そのまま上り詰めて夏栗山山頂に着きました。NHKの共同アンテナと金属製の見晴台がありますが、見晴台に登っても周囲の木が高すぎて景色はほとんど見えません。東は夏栗山観音菩薩となっているので行ってみると、石の祠の中に小さな石仏がありました。

夏栗山からは北東に佐仲ダムの池の北に出て佐仲峠へ行くことも考えましたが、観音菩薩から東にはほとんどマーキングがなく、地形図で北に降りている破線道も見当たりません。結局西に引き返しました。今回は地形図の破線道通りに真っ直ぐ西に降りてみました。道がありましたが、下った所で倒木で埋まっていました。その下には道があって、道標は大ケ谷となっています。この場所も倒木が多く、北に向かう道を探すのに苦労しましたが、道ははっきりしていて、北に歩けばさっき夏栗山に直進して登って地点に戻ってきました。ここから西に道を戻って、分岐から佐仲峠へ向かいました。最初は暗い植林でジメジメした谷に降りました。これは佐仲ダムに流れる水で、分水界はこの西にあります。谷を抜けると佐仲峠から黒頭峰へ向かう分水界の道に出ました。これは歩きやすく、「丹波森の径 雄岳・雌岳の径」だそうです。そして佐仲峠に着きました。お地蔵様があります。

佐仲峠には多紀連山県立自然公園の説明板があります。三尾山への道は険しくて熟練者向きとなっています。登り始めると、よく整備されていますが確かに険しい道です。熟練者向きというよりも体力のある人向きという感じで、頑張って登ると鏡峠からの尾根道と合流しました。しかしここからもかなりきつい岩場の多い登りで、遠景を見ながら登ると三尾城址のある山頂に着きました。木が少し邪魔ですが、あちこちに展望があります。山頂は平らで、気持ちの良い場所でした。ここからは曲輪のある北に降りて、中三尾(西峰)へ向かいました。登山道から登る道があるのですが、それを待たずに南から藪の斜面を登ってみました。ここも多少段差が作られている感じがしました。ここも北に展望があります。そして登山道に降りて、前三尾(東峰)へ向かいました。ちょっときつい岩の多い道を登って、展望バッチリの山頂に着きました。ここからの北の展望は最高でした(写真)。ちょっと降りたところにある「やれやれ地蔵尊」の石仏を拝んでから下山しました。この道も地形図で見ると非常に急ですが、しっかり整備されているので問題なく降りられました。谷に降りてきてからガレ石が増えて少し歩きにくくなりました。谷を降りると丸太小屋があり、2つ目の小屋の脇は山岳訓練場と書かれおり、ほぼ垂直の崖がありました。そのまま堰堤の横を通って舞鶴若狭自動車道まで降りて、その側道を歩いて国領に戻りました。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「宮田」です。

0 件のコメント: