生野の白口は、かつては鉱山として賑わったということですが、今は家が数件あるだけで、静まり返っています。越知川沿いの作畑へ抜ける白口峠は、冬季は積雪で通行が困難かも知れませんが、普段は通れます。むしろ生野から白口に行く途中の道のほうが、すれ違いにスリルがあります。今回は白口峠から南に連なる尾根を歩いてみました。このコースは、[1]から桧和田山を除いたようなものです。
生野から白口に行って、手前にある墓地近くに車をとめました。「クマ注意」と書いてあります。ここから谷を登って、南から尾根を歩こうと考えたのです。ガレ石が多くて歩きにくい道でしたが、車が通れるように作られています。これは、地形図で破線道が550mくらいの急勾配の山に入っていくあたりで終わりますが、それでも歩ける道はあり、製紙会社の看板があり、しばらくは谷沿いの登山道です。しかしそれもそのうちに無くなってしまいました。水が多く、瀧がいくつもあって景観はよかったのですが、最後は谷を登れなくなりました。かつてこの谷を降りたことがあるのですが(2009/05/23)、どこを通ったのか全く想像が付きません。どうやら671m地点で谷を間違えて、右側の谷を登ったようです。調べてみると、前回降りたときはカラーの看板とは谷の反対側(東側)を歩いていました。谷を歩くのは無理になったので、右手の尾根を登ることにしました。結局たどり着いた尾根は、981mピークから降りてきた鞍部近くでした。地形図には破線道があり、それに相当する道もありますが、歩くのは斜面のほうが楽でした。900m+のピークに登り、東の886mピークを目指しました。ここには2009/10/03にも来たことがあります。平らなのですが、灌木が多くて、歩きにくい場所です。藪を抜けて886mピークに達すると、越知の方向の展望が開けました。
ここからは縦走です。最初はちょっと北に降りて、それからは北東に向かいました。結構きつい斜面を登ると、最初のピークに出ました。957mで、これがこの縦走での最高地点となります。周囲は木が刈られており、ほぼ360度の展望が得られます。写真は、千ヶ峰方面を見たものです。さらに尾根を歩くと、次のピークに出ました(大畑山?)。地形図にはありませんが、金属プレートの越知坂四等三角点(936.59 m)がありました。ここも頂上は木が刈られていますが、ちょっと刈り方が足りなくて展望はありません。
この先は岩場が増えますが、むしろ歩きやすくなります。大きな岩を眺めながら歩きました。870m+ピークがこの付近の尾根の最後のピークで、ここからは下りです。周囲は植林になってきて、歩きやすくなります。尾根をしばらく歩くと、314.4mピークに出ました。白口山です。白口三等三角点(814.35m)があります。大柿さんのプラスチック板が、三角点の標石に立てかけてありました。2002年のものです。
白口山からは良い道が降りているのですが、これは北東に向かう尾根で、おそらく作畑に降りてしまいます。峠に向かう正解の道は非常に急で、方向に確信を持てないと降りるには勇気がいります。ピンクのマーキングが目印です。地面に日が届かないので下草が生えず、暗くて陰気な植林の中を北に歩くと、高い鉄塔がありました。測候のためのものでしょうか?この塔は白口から白口峠に向かう道路からも見えます。ここから植林の中を登って、頂上で左に曲がり、まだまだ植林の中を歩きました。732mピークでは、東に尾根を降りてしまい、慌てて戻りました。最後は道のある谷を渡って、白口峠の南に出てきました。峠の大師堂にお参りしてから、舗装道路を歩いて白口に戻りました。
縦走中は時々木の間から越知川方面の展望があります。飯盛山から千ヶ峰に繋がる山々がよく見えました。登りは谷を遡るよりも、いっそ高畑山を経由した方が、道のりは長くなりますが、楽かもしれません。なお、一直線の尾根ですが、それは地形図上の話で、ピークでは常に方向を確認しないと間違った尾根に行ってしまいます(行ってしまいました!)。
展望 ★☆☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「生野」です。