市川の東岸,余り高くはありませんが,目立つ山です。地形図を見ていたら,西側の津熊三角点からぐるっと一周尾根に点線があります。どんな所か見に行ってみました。
一見して分かることは,山の下に日本化薬の工場があることです。従って,西側の尾根の南端から登ろうとしても登り口がありません。道路から見上げると山頂まで一直線に木の生えていない幅10m程度の帯状の地帯があって,これが津熊三角点までの登り口になるのですが,入口は立入禁止なので,もっと西側から登り始めました。自動車修理工場のような所に登っていく道があり,その先に数段のコンクリートの階段があります。階段を上るとその先は地形図にもある岩場です。これを登って,藪に入ると水平道がらしきものがあり,これを東に行って帯状の道に出ようとするのですが,藪があってそうはいかず,少し登ってはこれを繰り返し,という案配で,やっと木の生えていない地帯に出てきました。岩場っぽい登りで,急坂ですが津熊四等三角点(149.0m)までは難なく登れます。
この辺で周囲を見て考えると,この帯状の地域はなんとなく不自然です。後からGoogle Earthを見てびっくりしたのは,地形図の破線は衛星写真では非常にくっきりと木も草も刈られて写っていることです。モヒカン刈りの反対,といったところでしょうか。登る前には調べなかったのですが,この山の登山記録はインターネットにあって([1],[2]),それによるとこの10mの地帯は防火帯ではないかということです。日本化薬は昔は日本火薬と言っていたくらいで火薬を作っていますから,防火は大切です。それに,この付近の山は日本化薬の所有地らしく,防火帯の両側の木に「立入禁止」の札がたくさん下がっています。入りたくないような藪なので立ち入る気はさらさらなかったのですが,両側が立入禁止なら,この防火帯(ということにしておきます)そのものも立入禁止のような気がします。少なくとも素直に防火帯を降りていけば,工場の敷地に入ってしまいます。地形図でもこの防火帯は特定地区界の線として描かれています。
その防火帯ですが,三角点を過ぎてしばらくは快適な水平な尾根です。展望もあって,海まで見えますし,姫路セントラルパークも見えます。しかし北側の展望が開けてくるようになってきてから,どんどん藪になってきます。大きな木はありませんが,背の高い草が多く,特に笹とイバラ(と言うんでしょうか,棘のある蔓草)に手こずります。背の低い木も意外とあります。草は背丈以上のものが多く,それをかき分けて進まねばなりません。足下には踏み跡がありますが,目の前はひたすら藪が広がります。Google Earthの写真は神谷池が完成した後のものなので,それからの期間にここまで草や木が生えるものかと感心します。
時々北側の雑木林に避難しながら尾根を進むと,目前に急斜面の岩場が見えてきます。登れるのか心配になりましたが,登ってみると木が無い分だけ藪よりは楽でした。手を使えば難なく登れます。その先も藪ですが,場所によっては草が生えていない場所もあり,展望もあります。
そして,太尾二等三角点(311.6m)です(写真)。ここが畑山の山頂ということになりますが,三角点は笹に覆われていて,あやうく見過ごすところでした。両側は雑木林で全く展望はありません。展望はその先の反射板の所で得られます。しかしこの反射板の周囲もひどい藪で,特に西側の防火帯は急斜面に背の高い草が大量に茂っており,足下が見えません。下りですから一つ間違えると危ないので,こちらには行かずに反射板の東側を通りました。狭くて通りにくいのですが,通れます。
この先は,道がありました。もう立入禁止の札はありません。整備された登山道ではありませんが,反射板から東の尾根に続いています。赤いテープのマーキングが要所要所に下がっていて,迷う恐れはありません。問題はこの道がどこに行くのか分からないことだったのですが,藪を下るのは危険なので素直にこの尾根道を行くことにしました。長い長い,アップダウンのない道です。時々東側や南側の展望が開けます。マーキングが無くなったりして不安になることもありますが,道ははっきりしています。不思議なことは神谷池が見えないことで,どこへ行くのだろうと思っているとどんどん道は北へ向かいます。
1時間近く歩いて,出てきたのは畑山の北側,太尾青少年キャンプ場でした。畑山の北にある谷あいの溜池の畔です。神谷池の西側の尾根をぐるっと歩いたことになります。私有地に入らないためには,これが正しい畑山の登山道ということになります。ただし,キャンプ場の入口には,「関係者以外入山禁止」の立て札が立っていましたが。
展望 ★★★
藪山度 ★★☆
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