2016年5月28日土曜日

丹波市青垣町大稗から登る粟鹿山

丹波市と朝来市の境界に位置する粟鹿山はアンテナ山で、保守道路が山頂まで通じています。しかも最近は林道も山肌を荒らしています。これらの道路になるべく近づかないように、南の青垣町から登ってみました。登り口は青垣町大稗(おびえ)です。村を西に歩くと「お杉地蔵」という札が立っていて、ここが登山口となります。最初は草の生えた道ですが、害獣よけの扉を通ると植林の作業道となります。ちょっとわかりにくい所には「お杉地蔵」の札が立っているので、迷うことなく峠のお杉地蔵に到達しました。文政元年のお地蔵さんには「天下太平」と彫られています。「親孝行」という札がある理由は[1]に詳しく書いてあります。

峠は深い切通ですが、脇から北側の尾根に登って尾根歩きとなりました。最初は植林です。566mピークを過ぎて一旦下がり、次の尾根に登ると自然林が増えてきました。701mピークを過ぎて歩きにくい所はありませんが、北の主尾根に近づくと急斜面になり、それを登ると笹原となりました。背の高い笹の中に大きな岩があります。ただし笹の密度はそれほど高くないので、通りぬけに困ることはありません。この付近からは大稗方面の展望があります。主尾根に出るとネットの南側は木がなく笹原ですが、北側は自然林でタニウツギが咲いていました。伐採地を過ぎると自然林になって歩き易く、やや急な斜面を登ると与布土ダム工事中立入禁止の看板(期限は平成26年3月25日)があり、ブロックを積んで作ったトイレの残骸があり、そこを登ると道路に出ました。ここには山東町粟鹿山公衆便所があります。どれだけの人が利用するのか分かりませんが、ここまで観光客が車で登ってくるのでしょうか?山頂には関西電力、国土交通省、日本通運、ドコモ(建物の扉は開門中。アンテナは北斜面?)のアンテナがありますが、他に匿名のもあるようです。忘れてはいけない粟鹿山一等三角点(962.33m)は、道路から急斜面を上がったところにあります(写真)。晴れていれば北から西の展望は素晴らしそうですが、この日はあいにく小雨で梁瀬駅の付近がかすかに見える程度でした。

下山はまず来た道を戻り、「与布土」という板の所から南西の尾根を下りました。こちらは登山道として整備されているようで、歩きやすい道になっています。769mピークで西に曲ると西側下方に林道が見えてきます。その南の鞍部は笹原となっていますが、抜けてしばらく南に歩くと植林になって林道が間近になります。鞍部ではニアミスしますが、林道(森林管理道 粟鹿山線 与布土工区)は尾根を横切ることはなく西へ行ってしまいます。尾根は植林の680mピークに登って、再び下がって鞍部に出ました。ここは地形図では兵庫県道276号檜倉山東線が尾根を横切っており、お地蔵様は無いのですが確かに作業道が横切っていました。この作業道を東に降りました。植林の斜面に付けられた道で、時々見失いそうになりましたが、赤テープのマーキングが助けてくれました。最後は谷に降りて歩きにくくなりましたが、すぐに道に出ました。「左たじま」と書かれた石がありましたから、ここからは南に谷沿いを歩くのが普通なのでしょうが、大回りになるので少し南に行ってから川を渡って、東に谷を登りました。お杉さんも急いでいたので峠を越そうとしたのかも知れません。カエルの鳴く谷の北側に作業道があり、植林の中を登って行くとお杉地蔵のある切通に戻れました。県道276号は、この峠を越えて大稗に抜けているはずです。

峠からは最初に登ってきた道を戻るもはつまらないと思ったので南の尾根を歩きました。582mピークまでは植林です。さらに植林を降りると大河内線54鉄塔があります。さらに537mピークに登り、銀竜草を数えながら大稗三等三角点(523.93m)まで歩きました。標石はかろうじて上面だけが顔を出していました。ここからは少し戻って、北に延びる尾根を降りましたが、最初は少し方向を間違えそうになりました。尾根の中心を通って植林を降りて行くと平らになって、366m地点からは道がありました。道は植林の中を抜けて消えていきますが、最後は害獣避けの金網が張られているので、皇大神社に降りるのが正解でした。

山歩きを堪能できました。最後の尾根歩きは蛇足気味です。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆
地形図は「大名草」「矢名瀬」です。

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