鳥取県若桜町の東山(とうせん)は標高1388mと、兵庫県にあれば氷ノ山の次に高い山になるほどの山です。岡山県にあれば、文句なしの第一位です。最近は林道が近くにできて、比較的簡単に登れるようになりましたが、林道に頼らず岩屋堂から長い尾根を登ってみようと思いました。あまり深く考えていなかったのですが、標高差は1000m以上あります。
岩屋堂の側から尾根に上がるのは大変なので、国道29号線を歩いて交番の先の江戸時代の墓を見てから山に入りました。堰堤があり、急斜面の植林を登りました。腕力に頼らなくてもなんとか登れましたが、標高差で200m以上登らなくてはなりません。へとへとになって、やっと主尾根に上がりました。とは言えまだ標高500mです。尾根は最初は歩きやすいのですが、だんだんアシビの藪になってきます。枝をかき分けて進むと、824mの三角点の手前には大きな岩があり、中央をなんとか登るとその上はまた藪でした。この急斜面を突破すると捨谷三等三角点(824.16m)がありました。
この後の平らな尾根は歩き易くなりますが、標高850m付近からはまた藪が続きました。この日は標高1000m付近に霧が立ち込めており、視界が限られていて方向はGPS頼りでした。978mピークの手前も藪の急斜面でした。978mピークも藪ですが、それを抜けるとしばらくは歩きやすくなりました。しかし標高が1000mを越えるとネマガリダケが増えてきました。さらに急斜面を登って1100m付近まで来ると、まさしくネマガリダケの藪となりました。どんどん背が高くなり、腕で押すのにも力が必要で、しかも足を取られたり滑ったりと、体力を消耗します。1200m付近まで来ると木がなくなって、東山方向を見渡せるようになります。しかしそれでもネマガリタケはしっかり茂っており、それをかき分けて抜けると、ようやく笹の背丈が膝くらいまでになりました。地面は見えませんし、道もないのですが、傾斜が緩いのが救いです。それでもなかなか山頂には着かず、何度も休みながら登って行って、やっと東山山頂に着きました。藤仙山三等三角点(1387.98m)がありますが、この名前から山名の不思議な読み方の理由が分かります。山頂付近は広々として見渡しも良く、天気が良ければ素晴らしい眺望だと思います。この日は雲海の上の山だけが見えていました。「東山 1388M 鳥取県」と書かれたプレートが枯れ木に巻きつけられています(写真)。
山頂からは南に降りました。こちらは林道からの登山道なので切り開きがあり、マーキングもあります。最初は広々とした尾根で、所々に生えている木が良い雰囲気を出しています。尾根の先から南東に降りる所も、マーキングですぐに分かりました。ネマガリタケの藪と植林の間を降りて、最後は北に向かう林道に出てきました。ちょっと南に歩くと舗装された林道沖ノ山線です。林道から見れば、東山への登山口は、林道の智頭町と若桜町の境界のところから少し未舗装の林道を北に入った西側の空き地奥にあります。ここからはさらに南に中国自然歩道が延びており、案内板もありますが、沖ノ山線では吉川まで12kmとなっていて、これを歩いて下山したら岩屋堂までは3時間以上かかります。そこで、まずは沖ノ山線を東に少し歩きました。1104mピーク付近には「スギのふる里公園」があり、オートキャンプ場があるようです。
下山にはその東の、坂田林業の林道の先で沖ノ山線を外れて尾根に乗りました。最初はネマガリタケの藪でしたが、すぐに植林になりました。そのあと、ネマガリタケを避けようという一心で少し西に逸れたため、1080m+ピークに登り返すはめになりましたが、このピークから北東の尾根に降りる所は植林で、難なく見つかりました。この付近では植林がネマガリタケに勝っているので、比較的歩きやすかったです。ワイヤーロープなど、作業の名残も見受けられます。ちょっと藪っぽい所もありますが、850m付近の急斜面もあまり苦労せずに降りられました。最後は綺麗な植林に出てきて、作業道に降りました。「作業道 皆込谷線」で、今も作業中です。清流を眺めながら谷を降りて、岩屋堂に戻りました。
登りは4時間かかりました。藪や岩場が多く、上級者向けです。下山に使った尾根のほうが、登山コースとしてはまともでした。
展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「岩屋堂」です。
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