芦津は山奥と思っていたので、城跡があることを知った時は驚きました([1])。この山の東側は崖なので、西の谷から登ってみました。谷の奥に、地形図には描いてない祠があって、その前に建物があります。祠は神社ですが、鴨居の彫り物が蛸だというのがユニークです。神社の裏の植林を作業道を探しながら登りました。少し登ると北からの林道の終点がありました。この終点からさらに作業道を登ると、尾根の鞍部に出てきました。切通しのようですが両側に道はないので、これは堀切です。ここから細尾根を歩いて城跡に出ました。狭い城跡は切り開かれており、祠と芦津四等三角点(524.8m)の他に、屋根付きの台の上にサイレンが設置されていました。後で気がついたのですが、この集落には定時にサイレンが鳴り響きます。おそらく音源はこれなのでしょう。定時に登らなくてよかったと思います。山頂はこれだけでほぼ一杯で、城跡といっても見張り櫓を建てるのが精一杯だっただろうと思います。このサイレンは最近設置されたようなので、どこかに登山路があるのでしょう。
関山城跡は今日の登山の起点です。細尾根を引き返して堀切を渡り、植林を登りました。先程見た林道は西側を登って行きました。尾根は歩きやすいのですが、標高600m付近から急勾配になりました。そして650m付近で林道が尾根を横切っていました。しかも尾根の両側で上下に道が分岐していました。そのまま尾根を登ると、標高700m付近でも林道が横切っていました。林道の下側は打ち捨てられた木や枝が積み重なっており、上側は切り立っていて登るのに一苦労です。そしてさらに登って730m+の主尾根に出ました。ここは切り開かれていて地籍三角点があります。ここからもさらに東へ植林の登りです。しばらく登ると共同アンテナがありました。南側には林道が来ていましたが、この付近で終わっていました。そして植林の794mピークを通り、ちょっと下ってまた登り、820m+には切り開きがあって、地籍三角点がありました。南側の山が見えます。そして地形図では平らそうですが意外とアップダウンの多い所を抜けて、金属プレートの大東仙四等三角点(853.95m)に着きました。ここも南側の展望があります。この付近からは自然林が増えてきます。北側の谷の向こう側に伐採地があると思ったら、2018/08/08に登ってきた林道でした。この付近から徐々にブナの木が増えてきて、良い雰囲気になってきました(写真)。その分だけ足元には笹が増えてきます。そしてまっすぐに尾根を登って、出てきた尾根を北に行って、1074m地点に出ました。ここは少し切り開かれていて地籍三角点があります。そしてついでに2018/08/08に通った1010m+ピークまで行きました。この付近では枯れたネマガリダケの茎が地面を覆っています。
いちおう目標の尾根に出たので、下山をはじめました。1074m地点に戻り、そのまま南西に尾根を下りました。この付近では東の谷から水音が聞こえます。かなりの水量があると思われました。下っていく尾根はこの谷の西側です。登ってきた尾根よりは笹が多く藪っぽいのですが、時々マーキングもあり、踏み跡もあります。ちょっと急斜面を降りると谷に接近しますが、そのまま歩くと地形図にある細尾根に乗れました。この細尾根は藪っぽいのですが、時々倒木を越えたりしただけで、問題なく歩けました。ただし笹はなかなかなくなりません。921mはちょっと伐採されています。そのまま細尾根を歩いて、尾根を西に曲がり、自然林を降り続けると、岸上三等三角点(928.9m)に出ました。南に展望があります。この西は植林となりますが、そのまま芦津発電所の方には降りず、北西の倉谷を目指して北に尾根を降りました。この付近は気持ちの良い自然林ですが、尾根が複雑に分岐しており、GPSを見ながら尾根を探しました。徐々にブナは消えて植林になりました。美しい植林で、谷も歩けそうでしたが、上から見ると細い谷には倒木もあって、歩きやすい植林の尾根を降り続けました。複雑に折れ曲がり分岐した尾根を選びながら564m地点まで来て、さらに少し降りると林道が尾根を横切っていました。どこに行くか分からないのでまっすぐさらに尾根を降りると、地形図どおりに墓所がありました。周囲には石垣が多く、かなり手の入った耕作地だったようですが、今は植林です。倉谷の集落との間には東の谷から来る川があり、橋が掛かっていました。しかしこの橋はいかにも古くて今にも壊れそうでした。幸いに並行して上流側に堰堤があったので、そちらを使って川を渡りました。この堰堤から村の中に水を導いているのですが、水車があるのに驚きました。倉谷のこの付近の家はほぼ空き家です。
関山城はともかくとして、標高差が600m以上ある割には歩きやすく、美しい植林やブナの林が楽しめるコースでした。
展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「郷原」です。
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