2018年8月11日土曜日

北から登った綾木峠と東の尾根

綾木峠は鳥取県の八東町と智頭町を結ぶ峠です。この付近は南の芦津付近を通って行くこともできますが、今回は北側から歩いてみました。若桜鉄道の八東駅の東から南に県道6号線を入って、柿原を登山口にしました。柿原はほぼ廃村で、けっこう立派な家もあって興味津々ではありますが、休日には人が来ていました。柿原から綾木峠までは中国自然歩道とされており歩きやすい道を期待しました。舗装はすぐに終わってしまいますし、自動車も入れなくなってしまいます。しかし道の周辺には立派な石垣があって耕作地だったことがわかります。問題は道が川沿いに作られていて、石や流木で埋まっていることが多いことです。これが最近の大雨のせいなのかどうかは分かりませんが、道の見えない場所が多く、非常に歩きにくくなっています。何度も渓流を渡りますが、飛び越えられる幅とは言っても滑ったら大変なので気を使いました。救いなのはマーキングが残っていることで、地籍調査のテープと間違えなければ迷うことなく登っていけました。ガレ石の上を歩き続けて疲れたころに、道は東側斜面に上がって、だいぶ楽になりました。階段が作られている所もあります。スギやチシマザサの説明板もあります。しかし斜面の道も流され気味ですし、再び谷に降りるとガレ岩の上を歩かねばなりません。谷の奥で地形図の破線道が東に曲がっている地点では西向きに階段が作られていますが、こちらが正解で、ここからは植林の急斜面をジグザグに登るようになります。たまに大きな草が茂っていますし、谷を渡る所には橋がありませんが、休みながら登れば大きな問題もなく、綾木峠に着きました。歩き始めて100分ほどかかりました。中国自然歩道だから歩きやすいと思ってはいけません。峠には道標がありますが、説明板は壊れていました。

綾木峠からは東に尾根を歩きました。まず急斜面をまっすぐに登りましたが、気持ちの良い尾根で風もあるので疲れもあまり気になりません。木の間隔が広く下草のないコナラやブナが主体の自然林となると、理想的な山歩きと言えます。ところが少し東に歩くと、いきなり尾根が切れていました。これは鉱山の跡のようです(写真)。綾木峠まで歩く間も石英の多い山だと思っていて、道標の上に石英が置いてあったりしました。尾根に出てからも露出している石がことごとく石英なのに驚いていたのですが、この鉱山は石英を掘っていたと思われます。南側はあまり詳しく調べなかったのですが、コンプレッサーが放置されていました。1981年の国土地理院の地質図によるとこれは珪石の稼行鉱山とされています。鉱山跡を北に巻いて再び気持ちの良い尾根歩きとなりました。しばらくは登りが続きますが、ゆっくり歩けば風も爽やかです。姫路は34度近い日でしたが、この付近は23度程度でした。

綾木峠から80分ほどで、西ケ谷四等三角点(1051.29m)に着きました。切り開かれていますが展望はありません。ちょっと南に曲がった1060m+ピークは東側が切り開かれています。ここは尾根に沿って歩くと南に行ってしまうので、間違えずに東に降りる必要がありました。この辺で植生が変わって、枯れ木が目立ちます。木の生えていない所は笹かヒカゲノカズラが生えています。また気持ちの良い尾根に戻ったかと思った付近の鞍部は、ちょっと切通しっぽくなっていました。ひょっとすると尾根を横切る道があるのかも知れません。この東も登りはありますが歩きやすい尾根が続きます。そして1023mピークの北に登ると植林になり、その東の鞍部には南から林道が上がって来ていました。林道にはこだわらずに尾根沿いに植林を歩き、厳しい登りで1150m+の細長いピークに上がりました。この付近から枯れたネマガリダケの茎が目立つようになります。

少し東に植林を歩くと、若桜町、八頭町、智頭町の境界点に出ました。特に何の標識もありません。ここからは北に尾根を降りました。ここは2016/08/05に鳴滝山からの下山で通りました。自然林の気持ち良い尾根です。その時と同じように糸白見川の突き当りまで降りて地形図の林道で戻ろうかとも思ったのですが、近道をして1053mの北から西に尾根を降りました。植林の尾根で幅広く方向が決めにくいのが難点でしたが、問題なく降りられて、地形図どおりに峠からの古い林道に出会いました。しかしこの林道は地形図通りにここで終わっているので、さらに尾根を降りました。さほど急な斜面ではないのですが、木の枝が落ち葉の下に隠れていることがあり、それで滑って何度か転びました。すぐに西側から林道が現れました。この林道は尾根近くを進んで、標高760m付近でターンして西の谷に降りて行きました。この林道で下山することもできましたが、歩きやすい尾根だったので、そのまま尾根を降り続けました。植林の尾根なので特筆すべきものはなかったのですが、細尾根は両側が切り立っていてちょっと楽しめました。それでも下り続けるのに飽きてきた頃に、最後はかなり急な斜面を降りて、地形図の舗装道路に出ました。あとは県道6号線を歩いて柿原に戻りました。

県道6号津山智頭八東線は、今回歩いた尾根の両側まできれいに舗装された道路が作られているのですが、両側ともパッタリと終わっていて、尾根をどうやって越えるのかが全く不明です。尾根を越えるとすると標高差はまだ400mもあるので、トンネルが一番簡単だと思うのですが、今日通った採石場を通ると尾根越えも少しは楽かも知れません。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「郷原」です。

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