2012年8月5日日曜日

東から登る千種の空山


空山は西側の池田から登るのが一般的でたくさんの登山記録があります。西から登って南の魚町公園に降りるのが普通のようですが、東の河内川から登ってみました。それも、空山の北の金谷三角点を目指し、時間に余裕があれば尾根伝いに県境まで行ってみようという計画です。登り口は三室高原入口の手前、河内川の分岐点近くです。道路脇に金網の扉があったので開けて入ってみたのですが、これは不正解でした。この付近では畑が金網で囲ってあるので、扉から入ると山には登れないのです。正解はガードレール裏から植林に入ることでした。道路脇の植林は二列だけで、その上は段差があって、そこからが急勾配の植林となります。作業道を探してここを登り続けると、見晴らしの良い尾根に出ました。この尾根の南側急斜面は伐採されているのです。

伐採地からは尾根伝いに登りですが、この付近は地形が不自然で、採鉄が行われた跡かも知れません。雑木林が多く、さらに本格的な登りになっても雑木林の藪が続きました。808mピークから西に降りるところはちょっと迷いましたが、ピンクのマーキングがありました。ところどころ切り開きがあって、楽に歩けるようになりました。とは言うもののマーキングはあっても足下は灌木や倒木で歩きにくい場所もあり、急勾配の場所もあって、やや疲れました。たまに北の県境の尾根が見えていました

登り始めて1時間ほどで、南北に延びる主尾根に着きました。ここには三角点があるはずなのに、363という番号の付いている標石しかありません。とにかく北に歩こうと思って歩き始めると、ちょっと先に金谷四等三角点(946.74m)がありました。地形図でも、ピークのちょっと西側にあります。この付近は藪で道が消えかかっていました。しかしその先で尾根が北に折れて少し下ると周囲は植林が増えてきて、歩き易くなりました。957mピークは植林の中です。歩き易くなってきたので、もっと北に歩いてみました。この先は登りになりますが、割とはっきりした切り開きがあって、横から出っ張っている枝が邪魔なだけでした。やや長い登りが終わると、1010m+のピークに出ました。ここは伐採してあり、東側に素晴らしい展望が広がっていました(写真)。三室山から竹呂山、植松山が見えています。この伐採地からヒカゲノカズラの群生地を抜けて更に北に下って登ると、県境の尾根に出ました。この1081mピークには名前は無いようですが、西に降りると中江乢、東に降りると大通峠です。ピーク付近のチシマザサ(ネマガリ竹)は薄いのですが、西の1199mピークへの県境の尾根にはチシマザサがびっしりと生えていました。

県境に出てもたいして展望もなく(北側が見えますが)坐るところもないので、すぐに南の伐採地に戻って再び展望を楽しみました。この日は気温は高かったのですが風があって日陰にいれば快適でした。ここから金谷三角点までは来た道を戻りました。80分の寄り道でした。そして、目的地の空山を目指して南に尾根を歩きました。標高910m+付近に東側の展望の得られる点があり、この付近は岩が多く道はあっても注意を要する場所でした。あとは手入れの悪い植林という感じですが、手入れが良くなってきて、一旦少し降りてから登り返すと、空山山頂に出ました。有名な「平成大馬鹿門」が立っています。これに気を取られてよく見なかったのですが、草に埋もれているのが空山三等三角点(900.91m)でしょうか。宍粟50名山でもあり、標識が立っていました。周囲は伐採されており、東も南も展望がありますが、そろそろ木が育ってきているので景色は途切れがちです。

ここからは普通の下山ルートで降りました。さすがによく手入れされており、よく踏まれているという感じでした。植林の中をジグザグに降りて行きます。降りた先はまたしても不自然に平らな植林でした。この道がなければ、この方向から登るのは難しいでしょう。693mピークを過ぎると伐採地の上に出て、河内川沿いが見渡せました。この先はコースどうりに進まずに東に降りるつもりだったのですが、谷は倒木が多くコンディションが悪そうだったので、まずコースどうりに谷の南に出て、それから登らずに東に尾根を歩きました。途中で地形図の破線道を横切ったはずですが、はっきりした道はありません。東へは作業道で植林の尾根を歩きましたが、作業道は途中で消えてしまって、最後は急斜面の植林を南へ降りました。もっと頑張って東に行ってもよかったかも知れません。降りたところは予定の林地区ではなく大久保地区の一番奥にある人家の裏でした。ここからは暑い中を河内川を遡って歩いて車まで戻りました。暑さが堪えました。

どこを歩いても採鉄の跡が残る山だというのが感想です。この尾根を使うと県境のピークまで笹に悩まされずに到達可能であることが明らかになったことは、大きな収穫でした。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆
地形図は「西河内」です。

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