2012年6月24日日曜日

宍粟50名山波佐利山


別に宍粟50名山だからというわけではありませんが、波佐利山に登ってきました。赤西渓谷の木の切り出しが終わるまでは、兵庫県側からは音水渓谷を遡るしかありません。音水林道がどこまで行けるかは分かりませんが、とりあえず行けるところまで行ってみようと思って波賀町音水から音水川を遡っていきました。危なげな所もありますし、時々大きな石も転がっていますが、結論としては林道の終点にある登山口までは普通車でも行けるようです。私は途中で悪路の運転に疲れてきたので、「ニッセイ宍粟の森」の看板が出ている所に車を置いて歩き始めました。「ニッセイ宍粟の森」はこの先約2.6kmにあるというのですが、どこでしょう?資料を見ると音水渓谷の東側のようです。

さてここから歩き始めたのは音水林道ではなく、西に分岐する林道です。谷の上部斜面に作られており、時々は展望があります。しっかり作られた道ですが、突然大問題が起きました。道が完全に崩落しているのです(写真)。見たところ道路の部分の土砂が失われてしまったようです。ここは山側の斜面をトラバースして先に進みました。ガレ石の多い斜面でしたが、意外と楽に横切れました。しかし問題はさらに続きます。道路の真ん中に幅1mくらいの亀裂が続いているのです。これも放置すれば崩落に繋がりそうですが、ちょっと行くとこの亀裂に水が流れていました。水の源は堰堤で、堰堤から出た水はトンネルで道路の下を流れるようになっているのですが、そのトンネルが詰まったために道路に溢れ出ているのです。この堰堤は「音水イトジロウ谷鋼製谷止」だそうで、平成12年度に作られたちょっと変わった作りの物です。堰堤そのものは今でもしっかりしており、木がたくさん詰まっているという以外は問題無いようでした。

さて登山はここからです。予定では堰堤の先の尾根を登ることにしていました。尾根の先端は崖ですが、ぐるっとまわると作業道があって、楽に尾根に登れました。植林の尾根ですが、勾配は大したことはありません。太い自然の木立を切って、その後に植林したようですが、全くケアがなされておらず、低い杉が雑然と生えています。その間の大きな切り株の方が目を引きました。30分ほどで主尾根に出ましたが、主尾根には道は無く、藪でした。しばらく西へ歩くと灌木は減ってきましたが、今度はチシマザサが増えてきました。この兵庫県と鳥取県、岡山県の境界はチシマザサの強力な藪が多いことで知られています。ここもそうなのかとドキドキしましたが、登りになるとまた灌木や倒木が増えてきました。この付近までは基本は自然林で、大木が目立ちました。

1161m地点に来ると、周囲は植林となりました。南の尾根から道が来ているようで、ピンクのマーキングが西へと続いていました。この道は次の1150m+ピークで北の林道終点に降りていきましたが、そのまま西に歩くと今度は林道終点から登山道が上がってきて、マーキングと道標を頼れるようになりました。周囲はずっと植林なので、歩き易い道です。1122mピークには、ここが1122mだと書いてありました。そして、波佐利山山頂に着きました。歩き始めて2時間半弱でした。波左利三等三角点(1191.56m)がありました。

ちょっと県境を見に行ってから下山にかかりました。下山は林道ではなく音水川の北の山の尾根と決めていたので、山頂から少し降りたところで藪に突入して尾根に乗りました。最初はやや急ですが、危険なほどではありません。チシマザサはここにも生えています。背の高さを越すような場所もありましたが、そんなに密に生えていないのでかき分けて歩けました。しばらく降りて行くと、いかにも自然林という感じになって、巨木だらけでした。根が分かれたものが多く、三つ足や四つ足の木がたくさんありました。この付近が原生林なのかも知れません。

1020m付近まで尾根を降りていくと、いきなり視界が開けました。尾根が笹の草原になっており、その中に枯れたブナが一本立っていました。他には木が無いので、谷の向こうの林道をはじめとして、周囲の山がすべて見渡せました。この先東の尾根には大きな木はすべて切られてしまったようで、代わりの木が植林された様子もなく、低い松やアセビなどが生えていました。ということはけっこうな藪で、枝をかき分けて歩きました。伐採を行った時に使った尾根道が途切れ途切れではありますがかすかに残っており、枝を押しのけてこの道を辿って下山しました。最後はさすがに道を通ったかどうかはっきりしませんが、それでも地形図にある堰堤の所に無事に降りられました。あとは林道を歩いて車まで戻りました。堰堤のすぐ下の向谷橋では、鉄製の欄干が大きく曲がっていました。両側なので交通事故とは思われず、洪水で大きな木が流されてきてぶつかったのでしょうか。

藪も多かったのですが、帰りに寄った明神滝も含めて見所の多い登山でした。自然林の新緑がきれいなので癒やされました。

展望 ★★☆
藪山度 ★★☆
地形図は「音水湖」「戸倉峠」「岩屋堂」です。

0 件のコメント: