2011年8月27日土曜日

北から登る宍粟の深山


宍粟50名山の深山(ふかやま)には、2010/09/04に岩上神社から大回りして登りましたが、今回は北から登れないか試してみました。入り口は国道29号線沿いの上小野で、「県指定大栃ノ木3km」などと書かれた看板が立っています。舗装道路を登って行くと道が狭くなり、小野川にかかる深山橋を渡ると、未舗装道路への分岐があって「通行不能 路線名・上ノ波賀線 理由・巾員現象1.0m 箇所・これより先」という看板が立っています。その反対側に「大トチの木これより1.2km」と書かれた杭と、深山国有林の看板があります。これは地形図の破線道への分岐です。この付近には川側の草むらの中に小さな祠がありました。さらに舗装道路(林道上城線)を登ると林道への分岐があり、「黒尾山登山口」の標識と「県指定文化財とちの木」の説明板がありました。これが地形図の実線道への分岐です。ここから黒尾山に登ることは可能ですが、かなりの道のりだと思います。

さらに林道上城線を登ると別荘地に入りました。地形図上では林道は別荘地で終わるので、川沿いの破線道が始まるところで登山支度をして登り始めました。この道は林道沿いに表示されていた地図では遊歩道となっていますが荒れており、そのうちに消えてしまいました。しかたなしに斜面を登ると別荘地の道に出てきたので、それをさらに上流へ歩くと、行き止まりに滝がありました。これが上城の滝でした。この日は水量も多く、立派な滝でした(写真)。

最初の予定では川沿いに西に歩き、地形図で破線道だけになった付近から南のゆるやかな尾根を登るはずでした。しかし上城の滝の両側は非常に急な斜面で、川沿いには越えられません。斜面を登って滝を巻いて登るしかないのですが、北側の斜面は別荘地まで戻らないと歩けそうもありません。結局南側の斜面を登ることにしました。水量の多い川を思いっきり飛び越えて、植林の斜面に取り付きました。林道に立てられていた看板によると、この付近では間伐材を斜面に水平において「土留工(どとめこう)」としています。ここの急斜面にもそのような活動の跡があり、作業道らしいものを見つけ、木に掴まってシダの生えたじめじめした斜面(看板ではシダが生えることを「林内植生の回復」と呼んでいます)を登り、滝につらなる岩の上に出ました。

ここからは尾根登りです。最初は非常に急な岩場の植林を木に掴まって登りました。徐々に勾配が緩やかになり、植林が終わって自然林になりました。そのうちに標高630m付近で東側の尾根から鹿避けの金網が登ってきました。西側の尾根と合流する680m付近は植林です。760m付近で東からの尾根と合流しましたが、ここは枝打ちされていない間隔の詰まった植林で歩きにくく、金網沿いの作業道を登りました。金網が無くなると、作業道は消えかけた踏み跡になってしまいました。周囲は藪です。道だったと思われる灌木の隙間があるのですが、左右から灌木の枝や棘のある蔦が延びてきており、ひどい藪漕ぎとなりました。この状態は30分近く続きました。850mを越して平坦になっても藪は薄くなりません。なんとか歩き易くなったのは880m付近からです。東側の谷の植林からは、道が上がってきていたかも知れません。最後は登山道と合流し、山頂に着きました。深山三等三角点(907.74m)があります。滝から直線では1kmですが、1時間半ほどかかりました。

ここからは縦走です。南深山への道標があるのでそれに従って南に植林の尾根を歩きました。途中の鞍部には岩上神社への下山道もありました。南深山は標高916mで、深山よりも高いのですが、深山同様に展望はありません。その先は登山道はありませんが植林の尾根を歩き、920m+のピークに出ました。ここがこの連山の最高点なのですが、伐採した木の転がっている、広い割には魅力のないピークでした。この付近はずっと植林なので展望はありませんが、木々の間から引原川方面が見えました。908mピークを過ぎると尾根はなだらかに下降してゆきます。この尾根は一宮町と山崎町の境ですが、その町界に沿って植林を南に降りて行きました。788m地点の南を通って、歩き易い植林を降りると道がありました。地形図の破線道です。

この道はしっかりと作られたものですが、それでも草が生い茂っていたり倒木があったり、水が流れていたりで、気楽に歩ける道ではありません。むしろ植林の中をもっと南東に行って、林道に出た方が楽だったかも知れません。破線道で谷沿いを降りると、やっと林道がカーブする地点に出てきて、ほっとしました。異臭がするので何かと思ったら、林道わきのネットに絡まった鹿の死体が腐っていました。この先は歩き易い林道を降りました。途中で破線道に乗り換えることも可能でしたが、見たところ荒れていたのでやめました。さらに降りて行くと「県指定文化財 大トチの木 約120m下る」という標識がありました。行ってみようとしたのですが、背丈を越す草が茂った急斜面で、足元もおぼつかないのでやめました。破線道で見に行くのが正解と思います。

このように深山に北から登ることは可能でしたが、とてもお勧めはできません。北からなら、葛路峠経由で斎木から登るのが正解でしょう([1])。

展望 ☆☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「安積」です。

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