2023年1月15日日曜日

矢野から行く黒蔵

 


相生市矢野の廃村黒蔵には何回か行ったレポートを2007/1/6にまとめて書いてありますが、15年経ってどうなったか、見に行ってみました。


登り口は南の矢野町榊で、道を北に歩いていくと尾根の先の見晴らしの良さそうな所に墓石があります。この裏にもいくつか墓石があり、付近の竹やぶを登ると金網がありました。幸い「出入口」の札があったので、そこから山に入りました。歩きやすい尾根で、時々枝が邪魔ですが勾配も緩く、たまに低いシダが生えている程度で、問題なく登れました。播磨線一九鉄塔にはサージカウンターが付いていましたが、カウントは0でした。この先は巡視路のようです。409mピークにも赤い「火の用心」が立っていましたが、矢印も番号もないので意味がよくわかりません。その北の鞍部には大きな常緑樹が生えており、この付近から道がありました。それを使って北に登ると、450m+ピークに出て、ここには地形図通りに幅の広い未舗装の道がありました。東に歩きましたが、少し下ったところに赤い消火栓がありました。この付近がバブル期に分譲地として開発された頃の名残のようですが、自然林の中に消火栓があるのはシュールです。北側に太い道がありますが、まっすぐに歩くと終点に鉄塔がありました。灰色の名無しでパラボラが2つ付いています。この鉄塔の東の鞍部は植林が伐採されており、北から来た林道がターンしていました。そして林を抜けると名無しの紅白の大きな通信塔に出ました。下の方の塗装が剥げてきていますが、優雅な形をしています。監視カメラも付いています。この付近が播磨道の三濃山トンネルの真上です。


この鉄塔まではタイル張りの道路が上がってきており、その延長にもう一つ、これも名無しの通信塔があります。この通信塔の南斜面は太陽光発電基地となっていて、榊山三角点に行けません。この付近は眺めが良く、ソーラーパネル越しに瀬戸内海が見えます(写真)。東に尾根を降りていくと、金網に突き当たりました。これは害獣避けというよりは発電基地の境界なので出入口はありません。ここからは金網に沿って北に歩きました。440m-鞍部まで降りてまた登り、相生市とたつの市の市境に出て金網に沿って東に歩きました。この付近の北側にもネットがあり、斜面に植林した後のようです。468mピークも木が少なくて歩きやすく、東に金網に沿って斜面を降りていくと、石積みがありました。この付近で金網と分かれて東の谷に降りていきました。おそらく全部で30段ほどの石積みがあります。段の高さは2mほどですが飛び降りるには高いので端を回って降りていきました。地形図にある小さな池は見当たりません。下の方では植林になり、木のない平地に出てくると、ここは沼地です。草が生えていても下は泥沼です。真ん中は歩けないので端の方を通りました。金網に沿って降りるのが正解だったかも知れません。そして地形図の破線道のあたりには堰堤があります。入れないので奥はわかりませんが、航空写真で見ると調整池になっているようです。その西や南はソーラーパネルで埋め尽くされており、つまり黒蔵村は太陽光発電施設にされてしまいました。付近はたくさん新たに植林されていましたが、木が育っている様子はありません。


金網で西には行けないので、南東に破線道を歩きました。こちらは特に手は入っていないようですが、以前に比べると竹藪などが無くなっていました。しばらく歩くと以前にも見た建物がありました。周囲の藪は無くなったので、調べるのは楽でした。部分的にブロック作りの細長い建物で、中央に廊下があって両側に部屋が並び、一番奥が台所と風呂だったようです。プロパンガスと電気が使えたようですが、電柱は来ていないので自家発電かも知れません。子供の靴とか玩具が落ちていたので、作業場ではなく家族で住んでいたようです。他にはガレージなどがありますが、崩壊気味でした。時代を感じさせるものとしては、EXPO70の湯呑が落ちていました。少し下ると法界塚があり、あとは長い谷沿いの道を歩きました。途中に堰堤があり、そこからは未舗装ですが良い道になり、害獣避けの扉を抜けて釜出に着きました。途中に美しい苔(ホウオウゴケ?)の生えている岩がありました。


展望 ★☆☆

藪山度 ★☆☆

地形図は「二木」です。



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