2018年10月28日日曜日

智頭町の大呂山

最近はおなじみになった鳥取県の県道6号線ですが、郷原から北股川を遡って走ると、東側に新大呂発電所があります。落差292mの水路が見えるので、登ってみたくなりました。発電所の上に行くと階段があって、水路に沿ってずっと続いています。階段は苦手なので水路を北に渡って、北側の植林を登りました。巨大な水路を見ながら登っていきます。色の感じはコンクリートですが、接合部を見ると金属製の水路でした。一直線ではなく、途中で勾配が変わっている箇所がありました。植林は登りやすいのですがどんどん急になっていって、水路脇の階段の手すりを使って登った所もあります。水路の上端がどうなっているか興味がありましたが、コンクリートブロックの中に消えていました。近くにはトンネルの入口があって「酸素欠乏のおそれあり」と書いてありましたが、鍵がかかっています。かなり奥の深いトンネルらしく、木霊がよく聞こえました。水路が出てくるコンクリートの上には、大呂四等三角点(517.87m)がありました(写真)。この上には階段があり、貯水タンクのようなものがありました。そのさらに上は道がなく、適当に作業道を登りましたが、コンクリートのブロックがありました。大きなブロックがいくつかあり、南側に道の名残のようなものもありました。建設時に上から重量物を降ろしたのかも知れません。この道は地形図の地下水路の方向に向かっているのでそちらには行かず、残りの標高差200m近くは植林を真っ直ぐに登りました。かなりの急勾配ですが美しい植林で、手を使わなくても登れました。

山頂は710mですが、ここは隠谷城という山城の跡だそうです([1])。今は幅の広い道が作られており、山頂には山城の面影はありません。共同アンテナと、地籍図根三角点があります。付近の展望は良好で、鳴滝山あたりの紅葉が見えました。道は北に下っていき、大きく曲がって広い平坦地に出ます。航空写真でも見えますが、何段かに別れた平坦地です。一番下には大きな井戸が2つあり、覗くと水が溜まっているようでした。螺旋階段で降りられますが、やめておいたほうが良いでしょう。事務所がありクレーンなども置いてありましたが、特に何の表示もないのでなんの作業をしているのかは分かりません。しかし山の上に井戸が作られているのは他の山でも見たことがあり、山崩れ対策と思われます。この北側には2018/09/23に北の山からよく見えた崩落した崖があります。そちらへ降りていく斜面には蛇腹のパイプがたくさん走っています。少し降りると不思議な装置がいくつかありましたが、伸縮計かも知れません。その下にはトラロープが張られていて、あまり降りないほうが良さそうでした。崖は斜め横の角度で少し見ることができました。

下山は頂上から東に伸びる幅広い道を使おうと思っていたのですが、登り返すのも面倒ですし、地形図を見ると西に伸びる尾根で北股川へ降りられそうでした。問題は川まで降りても橋がないことですが、地形図では川辺には水田があることになっていると思って、降りてみることにしました。後でよく見るとこれは水田ではなく荒地だったので、大変なことになりました。尾根は植林なので降りるには問題なく、432m地点まで来ました。ここから北に急峻な暗い植林の尾根を降りました。途中で尾根を巻くように平坦地がいくつかあって作業道かと思ったのですが、辿っても消えてしまいました。尾根の先は急峻ですが、東側にマーキングがあって、その付近から降りると作業道の名残があり、川に降りられました。しかし橋も無ければ道もありません。川沿いに東に歩いていくと、山が川にせり出していて川岸をトラバースするのは危険になりました。しかたなしに山側に少し登ると、作業道の名残と思われる踏み跡がありました。斜面をトラバースするように付けられているので、当然少し流されていますが、それでも気をつけて歩けば辿れました。木がせり出していたり崩落していたりで、決して歩きやすくはなく、危険一杯なのですが、不思議と道跡は消え失せることはなく、二つあった谷も上の方で渡り、最後は崩落地の下のススキの原っぱに出てきました。そのままだと大きの岩の上で終わってしまうので、ススキの中を少し登り、歩きやすそうな所を探して降りていきました。ここは採石所だったらしいのですが、地形がめちゃくちゃで背の高いススキが生い茂っているために、どちらに向かえば降りられるのか分からず、大回りしました。最後は橋にたどり着けたのですが、幅いっぱいに水が溜まっており、靴が新しかったので助かりました。あとは北股川沿いに県道6号線で帰りましたが、下山は山頂に戻って東に道で降りるのが正解でした。

大呂山は平成17年以来地すべりの観測対象になっているようです([2])。山頂の井戸については調べても情報がありませんが、あれだけの大工事を行うくらいなので、かなり力を入れて対策を講じているのでしょう。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「郷原」です。

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