2013年6月8日土曜日

西から行ってみた中音水渓谷

音水渓谷と赤西渓谷の間に位置する中音水渓谷には、2012/10/06に行って、宍粟森林鉄道の歴史的遺物を見て感銘を受けました。もう一度行ってみたいのですが、鉄道用の橋の上を歩くのが苦手な私は、再び同じようなルートで行こうという気になりません。そこで距離は長いのですが、瀬戸山経由で行く計画を立てました。

登り口は波賀町日ノ原の、引原川西岸です。昔は森林鉄道が通っていたサイクリングロードを下流へ歩き、人家を抜けた付近で鞍部を目指して登り始めました。岩の多い急勾配の植林で、明らかに登るには不向きです。しばらく登ると登山道がありました。近くには送電線の鉄塔があるので、当然巡視路の登り口を探すべきでした。基本を忘れていました。鞍部には水のタンクがあり、新鮮な山の水が大量に流れていました。ここまで登ってきて、目の前に中音水川が流れているのには驚きました。地形図を見れば分かりますが、この川はここから急勾配で引原川に流れ込むのです。西に巡視路を歩いて、鉄塔37に向かいました。黒いプラ階段を登ると、尾根にやや珍しい形の低めの鉄塔がありました。原横行線2です。37というのは古い番号のようですが、実はそれ以前には23だったようで、変遷の多い系統のようです。鉄塔からは川向かいの日ノ原の集落や、マンガ谷へのバリアになっている山並みが見えますが、遠くには一山も見えていました。

鉄塔からはひたすら尾根を登りました。切り開きがあり、黒いケーブルが敷設されています。岩の多い急斜面の植林を抜け、ひたすら尾根を登りました。680m+ピークに出て一息つきましたが、その後も登りが続きます。黒いケーブルの終点は825mピークで、ここには共同アンテナと、宍粟市の地籍図根三角点がありました。ケーブルは1km以上敷設されていたことになりますが、途中の急斜面で明らかに切れていました。ここからは植林が多く、アップダウンして、瀬戸山に着きました。ここには電波反射板が東を向いて立っていました。掲示されていた保安林内作業許可標識を見るとどうやら平成19年に建てられたようです。工事の名称は「防災用多重無線反射板設置」となっています。瀬戸三等三角点(870.55m)は、標高を変えないためか、反射板背後に小山を作ってその上に置かれていました。ここからも日ノ原方面の展望があります。

この後も登りが続きます。標高差150mほどを登ると、やや楽になり、1035mピークを過ぎ、周囲が山上庭園的な雰囲気になると、主尾根に出ました。2011/09/23に通った尾根です。まず北に下り、さらに登ると、西に展望があって三室山や竹呂山の見渡せる地点があります。日ノ原方面の見える地点もありました。倒木もありますが、良い雰囲気の尾根です。1107mピークの手前で東の尾根に曲がり、下っていきました。最初は良い雰囲気ですが、段々と藪っぽくなります。しかし、藪漕ぎになることはありません。1032m地点を過ぎて、2012/10/06に見つけた道(?)を目指したのですが、尾根を間違えて、真っ直ぐ東に降りてしまいました。多少変な凸凹があって人の手が加わっているような感じもしましたが、歩き易い尾根でした。最後は地形図どうりに急勾配になったため、南の谷に降りました。谷に沿って降りて行くと、小屋の廃墟がある地点に出てきました。ちょっと北に歩いて、川に掛かるコンクリ橋を見てから、森林鉄道跡の道を南に歩きました。このへんの詳しいことは[1]をご覧下さい。この道は途中で土石流で埋まっており、下を巻かないと進めないのですが、進んでも非常に高い位置にある橋に出て渡れないことが分かっているので、素直にここから急斜面の谷を川に降りました。

降りてきたのは川に鉄橋の架かっている場所で、ここからも川の南側を東に森林鉄道どうりに歩きました。最初の橋は落ちていますが、その後も道は続きます。こちらには前回は来なかったのですが、橋があり、降りて登り返し、さらに歩いて行くと道がUターンする所に隧道がありました(写真)([1])。中は通れるのですが、何やら音がします。しばらく聞いていると、どうやらカエルであると分かったので、隧道を歩いてみました。短い隧道ですが、壁はコンクリですし、ちゃんと作ってあります。

隧道があるのは、ここに小さな尾根があるからなので、この尾根を登って帰ることにしました。非常に急勾配の尾根で、途中で何度も休みました。山歩きの最後の方で、こんな標高差200m以上の急斜面の登りというのは、辛いものがあります。足元は崩れやすく、神経を使いました。少しずつ東に寄って徐々に大きな尾根に乗り換えていきましたが、途中に非常によく保存されている炭焼き窯がありました。そして40分ほども掛かって、やっと尾根に上がれました。あとは来た道を戻るだけです。825mピークからは黒いケーブルを辿りましたが、下りではケーブルで足が滑って転倒する可能性があるので注意が必要です。最後の鞍部から下は、巡視路をとことん歩いたので、発電所の近くまで行って、やっとサイクリングロードに出ました。6時間近く掛かっていました。

いかに安全に中音水渓谷に降りるためと言え、このルートはひどい大回りです。やっぱり中音水渓谷は秘境と言えます。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「音水湖」「西河内」です。

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