2012年9月2日日曜日

一ヶ乢から女乢


宍粟市山崎町小茅野(こがいの)の北に、一ヶ乢という峠があります。ここから千種町鷹巣の女乢まで、名前につられて山の上を歩いてみました。小茅野から一ヶ乢までは農地の間に道があります。峠には関電の赤い「火の用心」以外は何もありませんが、昔何かがあった雰囲気はあります。道は峠を越して北側に行っているので、戻ってくるのは簡単だと思って、安心して東の尾根を登り始めました。

雑木林ですが木の間隔が広く、勾配も小さいので歩きやすい尾根でした。途中で関電の巡視路と合流し、770m+ピークに出ました。ここで南の尾根にちょっと足を延ばして、高圧線の鉄塔を見に行きました。山崎智頭線27です。東に降りる巡視路もありました。周囲は伐採されており、南の展望があります。黒尾山や日名倉山も見えました。再び770m+ピークに戻って尾根を東に歩きました。地籍調査のテープが目印で、その先北に曲がる所も間違えずにすみました。この付近はいかにも鉄穴流しで削られた地形になっていますが、全体に平坦で、歩くのは楽です。植林になっているところが多く、やや暗い尾根でした(写真)。772mピークには伐採された木が転がっていて雑然とした感じでした。

歩きやすくて陽も当たらず風もあるので、真夏の山歩きとしては悪くないのですが、退屈な感じです。772mピークの北の760m+ピークではいきなり右折ですが、これも地籍調査のテープで確認できました。この北も植林が続きますが、突然尾根に真新しい砂利の林道が出現しました。東から上がってきて、尾根で終点になっています。興味があるので少し歩いてみましたが、北東に斜面を降りて行っていました。おそらく地形図で千草カントリークラブの東から南に伸びている破線道の枝道ではないかと思います。そちらに行く気はないので尾根に戻りましたが、林道に比べると藪が鬱陶しく感じられました。じっさいここまでと比べるとこの先は藪っぽくなります。800m+ピークは藪です。ここまで歩いてきた尾根は山崎町と千種町の町界ですが、この先女乢までは町界ではなく、そのせいか(?)藪です。とりあえず植林を選んで降りていくと、女乢の上に出られました。ここは北側の山々が見える展望地です。この斜面は崖崩れ対策がされており、歩きにくくなりました。結局井戸(?)を見に行ったついでに東の方の空き地を歩いて道路に出ました。これは正解で、斜面の下は崖崩れ対策のおかげでとても降りにくそうでした。

地形図に書いてある女乢の記念碑は見つからず、何の説明書きも無いようでした。しばらくは鷹巣の方へ舗装道路を降りて行きましたたが、639mの山の東側を通る道を歩くと、地形図では南に山の中を歩いて下鷹巣に出る破線道があります。普通は破線道はあまりあてにしないのですが、この付近では歩ける破線道が多かったので、試してみることにしました。早田から建物の間を南に行く道は見つからなかったのですが、墓地に行く道があり、その上に害獣避けの金網があって、入り口がありました。ここから山に入って西に行くともう一つ入り口があり、そこからいかにも杣道という感じの道が山に向かって延びていました。これが破線道に違いなさそうなので、谷沿いにこの道を歩きましたが、すぐに終わってしまいました。後は倒木だらけの植林の暗い谷でした。なるべく破線道に忠実に歩いたつもりですが、踏跡すらありません。谷はあまりにも歩きにくいので、植林の中に作業道の跡を探して尾根まで登りました。尾根の向こう側も植林で、道はあるのですが水平道らしく降りていくかどうかは定かでありません。結局はまた尾根沿いに植林を降りると、コンクリート舗装の林道に出てきました。この林道はもっと東に伸びており、Googleマップなどで見られる道路のようです。これを下鷹巣の方へ降りていくと、「林道押ヶ谷線 延長L=1097m 幅員W=3.0m 昭和38年竣工」と書かれた杭がありました。この先も谷沿いに降りていくと、下鷹巣に出ました。

下鷹巣から一ヶ乢に行く破線道は、林道を降りて行くと舗装道路のすぐ手前にあり、これは無事に見つけられました。しばらくこの道で谷に入って行くと、段々畑の跡地に出て、行き止まりでした。しかたなしに北斜面の植林を登って行くと、杣道があって、これは真っ直ぐに谷を登っていました。この道で一ヶ乢に出られると思っていたら、最後は伐採した木の転がっている、湿地のような谷に出てきました。当然道も消えてしまったので、湿地を抜けだして適当に登って行くと、林道に出ました。確かに地形図で見ても、一ヶ乢はこの谷の突き当りにはありません。出てきた林道を西に歩くと、ほぼ水平に一ヶ乢に出てきました。最初に確認したのはこの林道だったのです。この林道の北の端がどこに行くのかは分かりませんが、ここまで歩いた範囲で西からこの山並みに入っていたのは押ヶ谷林道だけだったので、そこに繋がっているのかも知れません。

後半は藪山探検に相応しくなってしまいましたが、前半の尾根は鉄穴流しの跡を探しながら歩くと楽しいかも知れません。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★★
地形図は「千草」です。

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