2013年3月16日土曜日

多可の表銀座


多可町北部の三国峠に行くと、表銀座の地図なるものがあります。三国峠から槍ヶ峰までの尾根を、北アルプスの縦走路にあやかって地図にしたものです。一ノ峰から八ノ峰までのピークに燕岳(つばくろだけ)とか 涸沢(からさわ)などのアルプスのピークの名前が付けられています。表銀座なら一丁目から八丁目にしたほうが面白かったのに、と思ったのは、北アルプスを知らない私だけでしょうか。この縦走路を歩きました。

道の駅「かみ」に車を置いて林道を西へ歩きます。以前は堰堤の工事をしていましたが、現在はほぼ終わっているようです。三国岳への道標が所々にあり、最後は堰堤から北に上がるようになっています。やや荒れた谷を登って行くと尾根に出て、「山寄上部落へ下山コース」の道標がありました。ここは三国岳に登った時(2012/09/11)に通った所です。ここから北に尾根を登って、三国峠に出ました。表銀座の地図をよく見てから、三国岳とは反対の南方向に尾根を歩きました。少し登ると道が分かりにくくなりました。ピークからやや下がった所に地籍図根三角点がありますが、ここは地形図とは違ってちょっと西に曲がって744mピークに出てから尾根を進まねばなりません。

表銀座なので一の峰、二の峰と順番にピークに名前が付いており、「からさわ」などと書いてありますが、この尾根から北アルプスを想像するのはちょっと無理です。しかしそれだけアップダウンのある尾根だということです。植林が多く、展望はあまりありませんが、素晴らしく歩き易い尾根です。梅ヶ畑四等三角点(750.04m)が四の峰です。この尾根をこの時とは反対に南から北に歩くと、三角点のピークは間違えやすいと思います。私は五の峰で間違えて西側に降りそうになりました。八の尾根を過ぎると「東かま尾根」となりますが、鎌と呼ぶほどは尖っていません。そして激急斜面を無理矢理登ると槍ヶ峰です。ここは2012/08/18に「帰去来」と書かれた記念碑から来ました。千ヶ峰が見えますが、大展望とは言えません。前と同じように南に下って貝坂四等三角点(807.84m)のある中岳へ降りて、さらに東へ下っていきました。この付近から、最初に道の駅から登ってきた林道へ降りられるはずですが、その道への道標ははっきりしません。地形図で破線道が尾根を横切っている場所は、西側の越知川への道はあるようでしたが、東側は非常に急な斜面で、道はありません。

さらに尾根を南に下ると、倒木などが増えてやや歩きにくくなりました。小屋ヶ谷三角点が近づくと藪っぽくもなりますが、しっかりとした道があります。小屋ヶ谷四等三角点(842.21m)からは東側の杉原川沿いが見えます。ここから東の尾根を降りて590mピークと三角点経由で道の駅の向かいの青玉神社に降りるのが下山計画でした。三角点から少し北に戻って「五」という標石のある所で東に藪を抜けると目指す尾根なのですが、ここは岩場でキレットのようになっています。あまり上手に撮れていませんが、写真は向こう側の岩です。岩を降りて再び登ればよいのですが、私にはちょっと危なそうだったので、北側の斜面に降りて東へ巻いて進みました。しかしここでは非常に急な斜面を横切ることになり、冷や汗をかきました。やっと登った東の尾根も藪で、急斜面の岩場が続きました。滑落しないよう気を付けて、しばらく我慢して降りると、踏み跡も現れて歩き易くなりました。とは言え、表銀座とは全く違います。途中でネットも現れ、690mの手前北側は大規模な伐採が行われた後でしたが、ウィンチを設置するために一本だけ残された木が聳えており、陸前高田の一本松のように見えました。この先も踏み跡はありますが、荒れた尾根なので森垣内四等三角点(615.06m)はうら寂しい感じでした。森垣内三角点の北から東の尾根に行って443mピークを目指しましたが、この付近は金網で囲まれており、囲みの中は鹿の食害がないせいか下草が生えているため、金網の手前から植林を北に降りました。ここはかなりの急斜面でした。降りてきた所は「加美のしいたけ場」の西側のミツマタ林でした。

多可の表銀座は歩き易く、絶好の登山コースです。アルプスならもう少し展望がほしい所ですが、気持ち良く林の中を歩けるだけで幸せです。下山に使った尾根は不正解としか言いようがありません。

展望 ★★☆
藪山度 ★☆☆~★★★
地形図は「大名草」です。

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