2012年3月26日月曜日

上三草の廻谷を一周


三草山から三草川をはさんで北側にある山々は、岩盤が露出していることで知られています。特に廻谷をと数曽寺谷の間の尾根は、登山記録がいくつかあり([1][2][3][4][5])、面白そうなので歩いてみました。

一番上に立っている別荘の横から登るのが一番早道([1][3])というのは分かっていたのですが、別荘地に入らずに登るルートを考えました。最初から廻谷を一周する計画だったので、廻谷の下の溜池まで、西から車で未舗装道路を行きました。この道には入るなと書いてあるのですが、じっさい堤防の下では堤防からの水が道を越えて流れており、その先別荘地帯に行く道は非常に細くなります。堤防の下から歩き始めました。この堤防は水が岩場を滝のように流れ落ちています。池の東側は背の高い笹薮で、入り込む気になりませんが、ちょっと覗いてみるとコンクリートブロックで作られたトイレがありました。溜池の建設の時に使ったのでしょうか?ここは藪がひどいので、少し北に歩いて笹がなくなった付近から藪に入りました。強力な藪ですが、踏み跡と呼べなくもないシダの合間を歩いて、岩場に出ました。最初は少し崩れやすい土の斜面でしたが、その上は岩盤登りで、難なく186mピークに着きました。ここで既に大展望でした。

この先は岩場の尾根を歩いて、240m+ピーク(石が積んであります)に立ち、さらに398mピークに向かいました。足元は岩場でしっかりしていますし、急坂には低い松も生えているので、危険なことはありません。298mピークから南西に伸びる尾根が縞模様になっていて興味を引きますが、岩盤と崩落した崖が交互に並んでいるようです。一旦鞍部に降りてから240m付近に大きな岩がありますが、東側が道のように削られていました。誰かが削ったんでしょうか?298mピークには赤く塗られた標石がありました。

298mピークの先はシダが茂っており、普通の尾根道になりました。しかし良い道には違いありません。この先に小キレットがありました。崖になっている側には枯れ木が立てかけられていましたが、降りるのにはあまり役立ちそうもありません。私は慎重に東側に一度降りて崖の下に登りましたが、狭い岩の隙間を登らねばならず、飛び降りたほうが安全だったような気がします。どちら側に落ちても、木などで適当に止まると思います。この先はますますシダが増えますが、まだ春も早いので枯れているものが多く、楽に歩けました。ただ、少し雪が降ってきたのでペースが落ちました。320m+ピークの木には黄色いテープに矢印があり、西の尾根は廻谷に降りられるようでした。この先もシダに覆われた尾根道ですが、近畿中国森林管理局のピンクテープがたくさん付いていました。

新しげな標石の上三草四等三角点(299.03m)を過ぎて、播磨線165鉄塔に着きました。歩き始めて1時間半です。ここでも東から南に眺望は良好ですし、北の比延谷川流域も見えるようになります。ここからは一旦東に降りて、320mピークに行く道を探しました。東に降りる道は巡視路だからかとても良く整備されているので、北西の尾根に向かう道を道と識別するのにだいぶ時間が掛かりました。よく見ると木に黄色と水色のテープが巻いてありますし(このマーキングはこの後もよく見ました)、足を踏み入れると関電の火の用心が倒れていました。しかし、この先はこれまでに比べてずっと藪っぽくなり、おそらく巡視路ではないと思います。しかしそれでも道であることには間違いありません。ときどき岩場もあって、展望もあります。地形図ではこの付近には破線道が来ているのですが、全く形跡がありません。320mピークを過ぎ、その次の330m+ピーク付近からは金城山がよく見えます。金城山南斜面には見事な尾根が走っています(写真)。雪がちらついていて良い写真が取れなかったのが残念です。

ここから尾根は徐々に南に向かいます。道はずっとあります。次の320m+ピークから鉄塔に向かって降りるところは岩場で、下りなのでスリルがありました。この尾根は岩場が多く眺望も良好で、西側のゴルフ場が目障りですが、西脇から瀬戸大橋、東には清水寺まで見渡せます。鉄塔の北には廻谷から巡視路が上がってきています。この鉄塔は播磨線163です。この南の330mピークは道が西側を巻いて行きそうだったので、頂上に登りました。この先も岩の多い道が続き、展望良好です。290m+の鞍部へは、シダの中を降りました。その後は緩い登りになり、300m+ピークに着きました。ここも眺望が素晴らしく、一休みしました。

ここまで来ると西の永富村三等三角点(305.72m)を見に行きたくなり、ピストンで行って来ました。この尾根は踏み跡が薄く、枝をかき分けて歩かねばなりません。大柿さんの2005年の赤いプラスチック板がありました。この永富村とはどこのことでしょうか。地形図にはありません。まさかゴルフ場に飲み込まれて消えてしまったとか?三角点を見てから300m+ピークに戻り、南の岩の多い尾根で下山を開始しました。コースは決めず、楽な方へと踏み跡を辿って降りていくと、南西に長く伸びる尾根で下山することになりました。低い松の生えている岩場を降ると、最後はシダ薮となり、さらには灌木の枝をかき分けてながら降りました。地形図の破線道に出てきましたが、西側はちょうどゴルフ場の一番奥でした。ゴルフ場を通らずには下山できません。破線道を東に歩いて池の東岸を歩くことも考えましたが([2])、地形図には破線道があるので、それを探すことにしました。

東に行く破線道は割とはっきりしていますが、南の山に登る道は影も形もありません。保安林の標識が立っている付近から藪に入りましたが、道はなく、徐々に勾配もきつくなりました。地形図の破線道の谷は背の高いシダが茂っており、右手の小さな尾根に上がり、そのまま急斜面を木に掴まりながら登りました。地形図で見ると崖になっていそうで心配だったのですが、最後に急斜面のシダ薮を突破すると、崖よりも西寄りの地点で尾根に出ました。尾根もシダで覆われていますが、踏み跡はあります。相変わらず眺望は良好で、岩盤もあります。踏み跡はあまりはっきりしませんし、灌木の枝を押しのけながら歩かねばなりません。道らしいものが現れたのは226mピークを過ぎてからですが、これも時々辿るのが困難でした。相変わらず展望も良いのですが、何度も道を探しに尾根をさまよいました。それでも、道は確実にあります。それが怪しくなったのが、最後に尾根から降りるところでした。この尾根は堤防の西側で終わりますが、そこは崖です。崖の上を南に歩いて、急斜面を道まで降りました。下手に崖を降りようとしていたら、滑落していたでしょう。とめておいた車は目の前でした。

この山は播磨平野の北端に位置しているため、広い平野の展望が開放感を与えてくれます。低山ではありますが、登りがいのある山でした。距離から言えば決して長いコースではないのですが、5時間半かかりました。岩場や藪の登り下りは、思ったより時間が掛かりますし、足にも負担がかかるようです。

展望 ★★★
藪山度 ★★☆
地形図は「比延」です。

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