2011年6月25日土曜日

草木から登る大段山


大段山は、一宮町上千町から登るのが一般的なようです([1])。確かに距離は近いのですが、急勾配の暗い植林の谷を登るのはあまり好みではありません。地形図を見ると大段山の西側には広く平坦な場所があり、そちら側から登ってみることにしました。

とは言っても平坦な場所まで谷沿いに真っ直ぐ登るのは倒木で無理そうな気がしたので、登りは西側の尾根にしました。草木ダムのところに北に入る林道があり、それを少し入ってから西に曲がって鞍部を探しました。地形図では破線道が鞍部を通って百千家満の方に行っていますが、この道はよく分からず、少し行きすぎて戻りました。地形図ではこの付近は崖になっていますが、実際には斜面を段々にならして、植林になっていました。鞍部から尾根に乗ると、あとはやや急勾配の登りとなりました。この尾根にはネットが張られており、周囲は藪です。713mピーク付近には岩場もあって、少し危険な場所もありました。鹿の頭蓋骨がネットに縛って吊されていました。

苦しい登りをさらに続けると、822mピークを過ぎたあたりから周囲は植林になって、歩くのが楽になりました。そして標高850mあたりからは周囲は見事な植林です。900mを過ぎると平坦地になり、このあたりの山頂付近に多い不思議な植生になりました。広葉樹や松、それにアシビなどが生えていますが、広い空き地があり、地面には草が生えていない所がたくさんあります。写真は灌木に囲まれた空き地ですが、なぜここだけ草さえもほとんど生えないのか、不思議です。しかしシダが茂っている所もあって、歩くには向いていないので、少し北側の林の中を通って大段山山頂に登りました。周囲は伐採してあり、北側も少し見えます。大きな三角点は、繁盛二等三角点(965.96m)です。

下山は、まず「こぶしの里」の標識に従って広い尾根を南に歩きました。千町ヶ峰や、遠くの砥峰高原を見ながらゆるやかに下って、標高930m+のピークに登ると、「こぶしの里」は南東に降りるようになっていました。下千町への下山道です。こちらに降りると出発点に戻るのが大変なので、尾根を歩いて916mピークに着きました。この先は少し百千家満方面の展望があり、さらに870m付近には共同アンテナの残骸もありました。ここから南の尾根に降りるつもりだったのですが、少々行きすぎたために、尾根を二つ東に横切って正しい尾根に辿り着きました。この付近の谷には草が生えていないので、トラバースも楽です。そして曲がった尾根を南西に降りると、オホソブ四等三角点(800.31m)がありました。頭が1cmくらい地上に出ていました。

ここからは西に尾根を降りました。やや急な所もありましたが、難所と言うほどではありません。この付近の谷も草や木が少ないので、尾根でなくても降りられそうです。しかし標高が下がると谷が倒木で埋まっている場所もあり、やはり尾根を降りるのが楽です。最後は最初に登った林道の入口付近に出てきました。

登りで苦労したので時間が掛かったような気がしていたのですが、実際に歩いたのは3時間半ほどでした。大段山の頂上付近は広々とした気持の良い場所でした。道路端の「千町地区案内」では大段山は「山頂は笹場」となっていますが、意外と笹は少なく、最近植生がだいぶ変わってきているのかも知れません。

展望 ★☆☆
藪山度 ★★☆
地形図は「神子畑」です。

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