2010年4月18日日曜日

作畑から登る千ヶ峰

林道が尾根を横切るようになって、ハイヒールでも登れる(無理です)千ヶ峰ですが、北西の越知川から登るルートは意外と知られていないようです。これを試してみました。

作畑の旧越知谷第二小学校付近に車を止めて、南東の谷を登り始めました。すぐに鹿避けの柵があり、その後はダートですが歩きやすい道です。さほど急峻でもなく、植林の中を気持ちよく歩きました。太い林道の終点には神崎町と神崎町観光協会が出している「千ヶ峰登山道」という赤い矢印があり、右に曲がります。幅がやや狭く斜面の崩落が激しく、荒れてはいますがこれも林道です。歩き始めてからずっと、林道はミツマタの花で溢れていました。谷や林道の両側に群生しています(写真)。なお、この登山コースは「石風呂コース」と呼ばれますが、石風呂はありません。林道の名前は「石風呂作業路」で、近くには石風呂三角点もあります。昔どこかに岩風呂があったのでしょうか。

しばらく歩くと、「沢の橋まで約5分」と書いた札が道の左側に立っていました。ここが登山口となります(林道をそのまま歩いて行くと登るのが難しそうな谷の下で行き止まりになります)。この先は植林の作業道のような感じです。谷沿いの道ですが、まっすぐに谷を登っていくと谷が細くなって登れなくなりました。登山道は実は途中で谷を渡るのですが、橋があるわけではなくかなり見つけにくくなっています。尾根の裾をぐるっと回ると赤い矢印があり、これが登山道だということが分かりました。このルートは地形図に描いてある破線道とは異なるような気がしますが、植林の中でGPSがほとんど役立たないので、詳細は不明です。

ここからは植林の中をジグザグに登りました。急な上りが終わると、尾根に出ました。ここを右に曲がって千ヶ峰に向かいました。この後はずっと植林の中を登ります。道はだいたい分かりやすいと思いますが、植林の中には登山道以外の道もありますので、変な方向に行かないようにしなければなりません。時々案内板があるので助かりました。小学生が1997年に作った案内板も少し残っていました。

主尾根に出ると、「多可の天空を歩く」と書いた立て札があり、いきなり東側の展望が広がります。杉原川の流域です。尾根伝いに北東に歩くと、千ヶ峰の山頂(1005.22m)に出ました。人が大勢食事をしていました。さすがに展望は抜群です。この先は林道が尾根をよぎっている所(駐車場)まで、市原高原遊歩道を1.8キロの尾根歩きでした。その先は、林道で越知川に降りることもできたでしょうが、それではあまりにつまらないので、尾根をさらに歩くことにしました。しばらくは尾根の西側に砂利道の新しい林道(千ヶ峰・三国岳線)があったのでそれを歩きました。しばらくすると林道が尾根を東側へ横断していたので、切通の北側の階段を登って尾根歩きを続行しました。

ここからは千ヶ峰からの尾根とは打って変わって誰も歩いていませんが、道はしっかりしています。マタニ山にある深谷山三等三角点(928.04m)の周囲は馬酔木がたくさん茂っていました。千ヶ峰からの尾根にも馬酔木はありましたが、ここほどたくさん生えている場所は無いと思います。半分くらいの木は花をつけていました。この先も歩きやすい尾根が続きました。尾根は曲がっていますが、標識が時々あって、迷うことはありません。しかし、下山を考えなければなりません。下山ルートはいろいろ考えられますが、尾根伝いに新田の方へ降りることにしました。

深谷山三角点からさらに北に歩き、西に折れると、道しるべがありました。加美アルプス西岳50分とあります。ちょっと北に行くと、多可町の地籍図根三角点があり、さらに北に進んだところで、北の尾根には行かず西の尾根に進みました。主尾根には道があって道標もあり、マーキングも多かったのですが、こちらには何もありません。まずピークを上り下りして、854mピークを過ぎ、少し下ると木にウィンチが取り付けられており、斜面の下に向けてワイヤーが何本か張られていました。これにぶら下がって降りられれば早いのですがそうはいかず、少し登って尾根の先に行くと、ネットが張られていました。ネット沿いに北西へ降りました。倒木があってやや歩きにくい場所もありますが、古い作業道の跡を降りて行くと、歩きやすそうな長い尾根に出てきました。ネットは西の方の尾根に行っていますが、歩きやすそうなのでこの尾根をひたすら下りました。出てきたのは、新田ふるさと村の「お山のテントサイト」つまりキャンプ場の上の貯水槽でした。この下山は大正解でした。あとは小学校まで30分ほど歩いて戻りました。

歩いていたのは4時間ほどです。あまり藪のない山ですが、急勾配の斜面が多いので尾根を歩くのが賢明です。登りも、最初から尾根に上がってずっと尾根伝いに歩く方が楽かも知れませんが、そうするとミツマタの花を見落とすことになります。姫路から千ヶ峰に登るなら、杉原川に出るのは遠いので、越知川の方がアクセスは楽です。ただ、尾根まで林道を車で上がるつもりなら、杉原川に行く方が頂上に着くのは早いだろうと思います。なお「石風呂コース」はヒルがいるという情報がありますのでその季節にはご注意下さい。

展望 ★★★
藪山度 ★☆☆

地形図は「生野」「丹波和田」です。

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