2010年3月22日月曜日

赤穂の水晶山

先日登った赤穂の真殿山の北に聳えるのが水晶山です。真殿山から見ると険しい岩場が目立ちます。登山ルートとしては、南側の谷を尾根まで登って戻ってくることが考えられます[1]。この谷沿いの道は良く整備されており、途中に「つるべ落としの滝」という名所もあって良さそうなのですが、かなり大回りという感じがします。水晶山山頂には高台三角点がありますが、その「点の記」では林集落から登っています。これは大変な急斜面だろうと思います。しかし水晶山から北東に延びる尾根の先には高圧線の鉄塔がありますから、保守路があるはずです。これを下山に利用することとし、登りは北側の中山から地形図の破線道を通って谷沿いに尾根まで行くことにしました。

この付近の地形図の破線道は、実体と違っていることが予想されました。林集落から登っていくと尾根には達しますが、地形図よりも南で尾根に出ます。林集落から中山集落への地形図どうりの周回は期待できません。航空写真で見ても、林集落からの道はよく見えますが、中山集落からの道は見えません。救いは尾根上には鉄塔から上に向かって道のようなものが見えることでした。北側斜面は南側に比べれば勾配が緩いので、いざとなったら無理矢理登ろうと考えて出かけました。これは甘い考えでした。

中山集落から鹿避けの扉を通って、大避神社に参拝してから山道に入りました。川の北側にあります。少しすると赤い「火の用心」があり、北側の山の鉄塔への保守路のようですが、川の南側にも「火の用心」が立っています。ここを下山ポイントと心に決めて、川沿いを進みました。最初は良い道ですが、途中で川を渡るところに橋がありません。このあたりから道が荒れてきます。再び川を渡りますが、ここには腐りかけた丸太が一本かかっています。怖いので川辺に降りて渡りました。もう一度川を渡ると、道に大きめの石が増えてきて、堰堤に到達しました。

この先も道があります。岩だらけでかなり荒れていますが、明らかに道です。谷が細くなるとどこが道か分からなくなりますが、その先にも道はあります。さらに、橋だったと思われる大きなコンクリート板の残骸があり、その先は林道らしくなりますが、岩や倒木だらけです。川からは離れます。だんだん道幅も狭くなりシダが増えてきました。行き止まりっぽい所で左手を見ると道があるのでそちらに行くと、道はUターンした後でシダ藪に消えていました。少しシダ藪に入りましたが、急斜面に背の丈以上のシダが茂っており、30分近くシダと格闘したあげくに元の道に戻りました。よく探すと、行き止まりと思われた斜面に道がありました。

その道もすぐに消えてしまいました。周囲は背の高いシダの茂みが多く、それを避けて慎重に道を探しました。道だと思ってシダ藪に突入することを何度か繰り返し、あまり苦労せずに登れるルートを探し出しました。シダ藪の間を通る道で、体でシダを押して歩くので疲れますが、地面にシダが生えていないので道であることは判断できました。そして登り初めて1時間40分で尾根に出ました。

尾根と言っても少し草の生えていない場所があるだけで、展望は全くありません。木に白い荷造りテープのマーキングがあり、これが下山までずっと続きました。ここからは水晶山に向かって尾根を歩きました。この付近の尾根には切り開きがありますが、腰くらいの高さのシダが茂っており、ときどき道も消えてしまいます。大きなシダの茂みもあるので、無理をせずに尾根を少し外れて歩きました。だんだんシダが小さくなり、最後は落ち葉を踏んで登ると、頂上に出ました。

頂上と言っても、南側はシダ藪で、どちらを向いても展望はありません。310m+のはずです。木に「水晶山」と書いた白いテープが巻いてありました。高台三角点を探しましたが、結局見つけることはできませんでした。少し東に降りた所のシダの中にあったらしいのですが[1]、シダがかなり茂っていて、登りでシダに苦労した後だったので分け入って探す元気はありませんでした。

下山はまず北に向かいました。頂上から東に降りたところに裸地がありますが、ここから北に降ります。ここからは木の間の下りです。南側はシダが多いので、なんとなく北側を歩くことになりました。道らしき切り開きがあり、300m+ピークに登り返すと、少し展望がありました。二つ目の300m+ピークの岩の上に金槌の忘れ物がありましたが、地質調査でしょうか?水晶山というくらいですから、水晶の鉱脈があるのかも知れません。さらにシダの間を歩いていくと、突然幅2mほどの道に出ました。最近草を刈った形跡があります。少し進むと290m+ピークに共同アンテナがありました。古いものもありましたが、「平成21年度 電波遮へい対策事業費等補助金事業」と書いてあるボックスもあり、地デジ用でしょうか。

ここからは尾根伝いに良い道があります。ケーブルと一緒に降りて行くと、左右に展望があります。写真は南側に高雄方面を見たものです。そしてやや急坂を下りると、送電線の鉄塔に出ました。有年支線4です。ここからは南北に保守路があり、北に降りました。この道は急斜面をジグザグに降りて行きます。シダが茂った急斜面なので、道がなければ登ることも降りることも困難でしょう。先人の努力に感謝しつつ関電の黒いプラ階段を下りると、最初に見た赤い「火の用心」に出てきました。黒のマジックで「水晶山→」と書いてありました。

途中でシダ藪に突っ込んで、久しぶりに絶望感を味わいました。突っ込まなくても、難度の高いルートだと思います。水晶山に登るなら、関電の保守路から尾根伝いに上るルートをお勧めします。

展望 ★★☆
藪山度 ★★★

地形図は「相生」です。

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